運命には抗えない
ep.2 28話 倒すべき敵
   ーアネモニーsideー
ーー本気でご両親を探したいんだったらスレイヤーなんてしてないで早く次のお城に行くべきでしょ!それなのになんでのんきにスレイヤーなんかやってのんびりしてるのって聞いてるの!
   図星だった。両親を本気で探していないことは。だって、僕の両親は既に、存在していないんだから。
   初めてその事実を知ったのは僕が道場をでる数日前だった。その時はまだ道場から出ていくことなど考えてもいなかった。
   僕にそう決意させたのは、その日道場に尋ねてきたお客人と師匠の会話だった。
「して、子供らのことは何か分かったか?」
   その日、僕は日がくれる直前まで自主練をしていた。そして、使われる事自体少ない客間から光が漏れていることに気づいた。
「幾つかある。まず、、、」
   その部屋に近づき耳を済ませると師匠と誰かが話していることが分かった。また、その内容は僕達、道場の弟子たちだった。
   何故お客人の男の人がそれを知っていて、それを師匠が聞いているのか分からなかった。でも、最後に聞かされた僕についての話を聞いてそんなことはどうでもいいと思った。
「、、、。最後にあの青髪の子についてだが、あの子の親は人類域にはいない」
   その言葉を聞いて僕はその場から離れた。
「誰だ!」
   僕はその声が誰のものか分からなかった。それ程余裕が無かったのだろうか。
   別に両親に会いたくてしょうがないという訳では無かった。ただ一目見たかっただけなのかもしれない。
   いや、本当はいつか両親が迎えに来てくれると心のどこかで信じていたんだろう。
   逃げきれた後は努めて普段通りの自分を演じた。そうしながら近いうちに道場を去ることを決意した。
   僕がここにいるのは他でもない両親の帰りを待っていたからで、その可能性がなくなった今ここにいる必要がなくなったことが主な理由だ。
   幸い僕はそれなりに戦う力があるから、世間で全く仕事がないということはないと思う。
   そうこうしているうちに旅立つ時が来た。物心着いた時からここに住んでいたけど、それなりに良識はあるから問題は無い。
ーーその道はこの道場で行ってきた如何なる試練よりも厳しい道のりだということは理解しておるな?
ーー勿論です
ーーそれではお主に2つ名を授けよう。、、、アネモニー、この言葉の意味はお主が考えるのだ
ーーアネモニー、、、
ーーでは行け!お主の武運を祈ろう
ーーはい!ありがとうございます!
   こうして旅に出た訳だけど、今もまだ「アネモニー」という言葉の意味は分からない。
   イアの質問に答えられなかった理由が嘘をついていたからなんて本人に言える訳がなかった。
「だから、」
   僕は目を開けた。
「これは罪滅ぼしなんだ」
   倒すべき敵の方に足を向けた。
ーー本気でご両親を探したいんだったらスレイヤーなんてしてないで早く次のお城に行くべきでしょ!それなのになんでのんきにスレイヤーなんかやってのんびりしてるのって聞いてるの!
   図星だった。両親を本気で探していないことは。だって、僕の両親は既に、存在していないんだから。
   初めてその事実を知ったのは僕が道場をでる数日前だった。その時はまだ道場から出ていくことなど考えてもいなかった。
   僕にそう決意させたのは、その日道場に尋ねてきたお客人と師匠の会話だった。
「して、子供らのことは何か分かったか?」
   その日、僕は日がくれる直前まで自主練をしていた。そして、使われる事自体少ない客間から光が漏れていることに気づいた。
「幾つかある。まず、、、」
   その部屋に近づき耳を済ませると師匠と誰かが話していることが分かった。また、その内容は僕達、道場の弟子たちだった。
   何故お客人の男の人がそれを知っていて、それを師匠が聞いているのか分からなかった。でも、最後に聞かされた僕についての話を聞いてそんなことはどうでもいいと思った。
「、、、。最後にあの青髪の子についてだが、あの子の親は人類域にはいない」
   その言葉を聞いて僕はその場から離れた。
「誰だ!」
   僕はその声が誰のものか分からなかった。それ程余裕が無かったのだろうか。
   別に両親に会いたくてしょうがないという訳では無かった。ただ一目見たかっただけなのかもしれない。
   いや、本当はいつか両親が迎えに来てくれると心のどこかで信じていたんだろう。
   逃げきれた後は努めて普段通りの自分を演じた。そうしながら近いうちに道場を去ることを決意した。
   僕がここにいるのは他でもない両親の帰りを待っていたからで、その可能性がなくなった今ここにいる必要がなくなったことが主な理由だ。
   幸い僕はそれなりに戦う力があるから、世間で全く仕事がないということはないと思う。
   そうこうしているうちに旅立つ時が来た。物心着いた時からここに住んでいたけど、それなりに良識はあるから問題は無い。
ーーその道はこの道場で行ってきた如何なる試練よりも厳しい道のりだということは理解しておるな?
ーー勿論です
ーーそれではお主に2つ名を授けよう。、、、アネモニー、この言葉の意味はお主が考えるのだ
ーーアネモニー、、、
ーーでは行け!お主の武運を祈ろう
ーーはい!ありがとうございます!
   こうして旅に出た訳だけど、今もまだ「アネモニー」という言葉の意味は分からない。
   イアの質問に答えられなかった理由が嘘をついていたからなんて本人に言える訳がなかった。
「だから、」
   僕は目を開けた。
「これは罪滅ぼしなんだ」
   倒すべき敵の方に足を向けた。
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