運命には抗えない
ep.2 20話 奮戦
   特攻を仕掛けてきた少女は、短く切った紅蓮のような赤髪を散らしながら大きな戦鎚を振り回していた。
   対してスミスは、大剣を自らの手足のように扱い、これをいなしていた。
「へぇ、お兄さん強いんだね?」
   そう言うとバックステップを踏んで一旦距離を置いた。スミスもまた深追いはせず武器を構えたまま静止した。
「アハ!そんな邪険にしないでよ。あんまり見られるとゾクゾクしちゃうからさあ?」
「何故、攻撃の手を止めた?」
    スミスは少女の愚痴には目もくれず疑問を口にした。少し不機嫌そうにしながらも答えた。
「それはね、お兄さんが強いからだよ」
「強いから、、、だと?」
  少女の行ったことの真意が分からず再び問おうとしたスミスだが、それより前に補足をした。
「そう!強いけら!だから自己紹介をしてあげる!」
   そう言って戦鎚を構え直しながら言葉を続けた。
「わたしは、皐月杏!かつて暗殺鬼と恐れられた殺人鬼だよ!」
  言い終えると同時に大きく振りかぶった。それに呼応するようにスミスも構えた。
   同じ頃、侵略者が上陸し始めた海岸では、激戦が繰り広げられていた。
   今の所、皐月杏の強さを超える人物は現れていないものの、侵略者の個々のレベルは鬼滅団のそれを超える者ばかりで、ほとんどは複数人で侵略者1人を相手にするという方法を取っている。
   だが、各師団長は元より、それに類する強さを持つもの達は一対一かそれ以上の相手をしていた。その中には、ヴァルキリーやアネモニーも存在していた。
「ウオオオ!!俺は、血坂熱!この度は俺達が生きるために、その命、貰いに来ましたァ!!」
   そう喚きながらぶんぶんと2本の太刀を振り回しているのがヴァルキリーの相手である。動きは単純ながら、一太刀一太刀の威力は凄まじく、2本持っている為攻撃速度も早い。
   神体強化状態での瞬発力を生かした戦い方を好むヴァルキリーにとって最もやりにくい相手と言えるだろう。
「あらヤダ、アナタ超好みよぉ?ワタシ岡山万次郎って言うんだけどねぇ?ワタシとつきあってくれなぁい?」
   「オカマ」という表現がぴったり当てはまるこの男は両手に痛々しいトゲが生えている篭手を装備していた。得物の違いから刀や薙刀を装備しているアネモニーの方が有利かと思えばそう簡単には行きそうにないことをアネモニーは肌で感じていた。
   それは男の身のこなしであった。言動は変人そのものだが、その身のこなしには、確かに歴戦の戦士を感じさせるものがあったのだ。
   侵略者は、鬼滅団の各々に苦手な分野を持った兵士が送り込んでいた。それは偶然にしては出来すぎていて、まるで元々分かっていた様だった。
   対してスミスは、大剣を自らの手足のように扱い、これをいなしていた。
「へぇ、お兄さん強いんだね?」
   そう言うとバックステップを踏んで一旦距離を置いた。スミスもまた深追いはせず武器を構えたまま静止した。
「アハ!そんな邪険にしないでよ。あんまり見られるとゾクゾクしちゃうからさあ?」
「何故、攻撃の手を止めた?」
    スミスは少女の愚痴には目もくれず疑問を口にした。少し不機嫌そうにしながらも答えた。
「それはね、お兄さんが強いからだよ」
「強いから、、、だと?」
  少女の行ったことの真意が分からず再び問おうとしたスミスだが、それより前に補足をした。
「そう!強いけら!だから自己紹介をしてあげる!」
   そう言って戦鎚を構え直しながら言葉を続けた。
「わたしは、皐月杏!かつて暗殺鬼と恐れられた殺人鬼だよ!」
  言い終えると同時に大きく振りかぶった。それに呼応するようにスミスも構えた。
   同じ頃、侵略者が上陸し始めた海岸では、激戦が繰り広げられていた。
   今の所、皐月杏の強さを超える人物は現れていないものの、侵略者の個々のレベルは鬼滅団のそれを超える者ばかりで、ほとんどは複数人で侵略者1人を相手にするという方法を取っている。
   だが、各師団長は元より、それに類する強さを持つもの達は一対一かそれ以上の相手をしていた。その中には、ヴァルキリーやアネモニーも存在していた。
「ウオオオ!!俺は、血坂熱!この度は俺達が生きるために、その命、貰いに来ましたァ!!」
   そう喚きながらぶんぶんと2本の太刀を振り回しているのがヴァルキリーの相手である。動きは単純ながら、一太刀一太刀の威力は凄まじく、2本持っている為攻撃速度も早い。
   神体強化状態での瞬発力を生かした戦い方を好むヴァルキリーにとって最もやりにくい相手と言えるだろう。
「あらヤダ、アナタ超好みよぉ?ワタシ岡山万次郎って言うんだけどねぇ?ワタシとつきあってくれなぁい?」
   「オカマ」という表現がぴったり当てはまるこの男は両手に痛々しいトゲが生えている篭手を装備していた。得物の違いから刀や薙刀を装備しているアネモニーの方が有利かと思えばそう簡単には行きそうにないことをアネモニーは肌で感じていた。
   それは男の身のこなしであった。言動は変人そのものだが、その身のこなしには、確かに歴戦の戦士を感じさせるものがあったのだ。
   侵略者は、鬼滅団の各々に苦手な分野を持った兵士が送り込んでいた。それは偶然にしては出来すぎていて、まるで元々分かっていた様だった。
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