運命には抗えない

あぶそーぶ

7話 新たなる日常

 再び訪れた宇宙人に歓喜している中、墜落星はこう言った。

「皆さん、お久しぶりです。実に2年ぶりですね。再開の宴なんかを開きたいところですが、運我さんの所へ連れて行ってはくれないでしょうか?」

 そう墜が言うと住民達は我先にと墜を案内した。

 しばらくして、運我の居所(今は昼なので市役所ではあるのだが)につくと墜は住民に、

「ご案内ありがとうございます。ここからは私1人で行かせてもらいます」

 言ってなかったが、ここまでに墜含む数名、つまり乗務員全員と住民が10数名(かなりの大所帯だが)が、着いてきていた。そして、市長室につくと墜はドアをノックし、許可が降りてから入室した。

「お久しぶりです、運我市長。2年ぶりですね」

「今まで生きてきた中で1番長い2年間だったと思います。墜さんは元気にお過ごししていたのでしょうか」

「はい。そうですね、本当に長い2年間でした。しかし市長、これからはもっと長い付き合いになりますよ?」

「ははは、そう言ってくれるとこちらとしても有難いですよ。今日はその件についてお話に来て下さったのでしょう?」

「はい、交換のような感じなのですが、こちらは以前提供した技術の他に多数の技術を提供したいと考えております」

「うむ、それでこちらが提供するものはなんでしょう?」

「この星の食材とその製法、それで作る料理の作り方を提供して欲しいです」

「なんだと。そんなもので良いのか?いや、こちらも政府に相談しなくてはならないのであまり難しいものであっても困るのだが、、、。本当にそれで良いのですか?」

「はい。以前私がここに滞在させて頂いた時の料理の味がとても美味であったもので。それを故郷の人達に話したら、皆食べてみたいと言い出してしまったので、それで構いません。私としてもあの料理をいつでも食べられることに関しては賛成ですので」

「分かりました。政府にはそう伝えておきましょう。恐らく、というか十中八九容認されるでしょうけどね。それで話はそれで終わりですか?」

「後1つあります。しばらくこちらに滞在していて欲しいと私の上司が仰っていたので、その間の寝泊まり出来る場所をお貸しして欲しいのですが、可能でしょうか?」

「はい、その程度なら構いませんよ。住民達も喜んでくれると思いますからね」

「ありがとうございます。それでは今日はここで下がりますね。また何かお願い事があるかもしれないのでその時はお願いします」

「はい、いつでも来てください」

 そうして墜は市長室を後にした。






 お読み頂きありがとうございます。次回は主人公sideです。

 はい、あのすいません。今まで主人公の出番が少なくて、、、。どうしても、ここまで説明しておきたかったので。

 それでは、今回も引き続き魔素についてです。前回は魔素と技術の関係性について説明しました。今回は魔素と魔法の発動条件について説明します。魔素にも濃度があると言いましたが、これが関係します。形式上都会の魔素量を100、自然界のそれを10000とします(比率は都会: 自然界=1:100です)。また、これは同じ体積での量とします。人間が扱う魔法の平均の魔素量は1にも満たしません。このことから分かる通り、どこで魔法を乱発しようが魔素自体が枯渇するということはおきません。

 しかし、古代魔術は例外です。これは平均200の魔素を使います。少なくて50ほどだと考えてください。自然界ならさほど影響はないですが、都会で使うと魔素が足りなくなります。そうすると失敗するのが殆どなのですが、稀に辺りから生命力を奪ってでも発動してしまうこともあります。なので、古代魔術の使用は国の許可が降りた人にしか、継承されていません(もちろん、修剣学院の古代魔術学科の生徒には許可が降りてます)。

 誤字などがありましたら、随時知らせて頂けると幸いです。

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