魔人の憂鬱 2

終わった
色んな意味で終わった
結局完徹のままテストを受け意識も絶え絶えに答案を埋めた
おそらく俺は大丈夫
前の席で頭を抱えるミリアを見る辺り残念な結果になったのだろうと思われる
「ミッミリア様！お疲れ様でした！」
「消えて下さい」
「ハゥンッ」
労いの言葉をかけた男子にカウンター罵声を浴びせしかも目もくれない
「さすが女王猫様」
「不快です。死んで下さい」
口悪っ
「じゃあみんなお疲れ様！明日からは土日含め3日お休みで、その後1日登校したら夏休みだよ！そろそろ進路についてもぼんやりで良いから考えはじめてねー」
若い女教師はニコニコと笑顔で教室を去っていった
進路って何だ？
ちなみに俺とミリアは現在2-Bの教室にいる
理由は前回の試験がちょっと俺達に不利な内容だったから
まぁそれは置いといて
「帰るぞミリア」
「亮太さんの所に行きます…」
おもむろに呟くと窓を開けてふわふわと空中を降りていく
教室の奴らが一瞬ギョッとするがミリアだと分かると何だまたあいつかと言った表情で行動を再開していく
正体がバレてしまった以上変に隠す必要も無いので俺もミリアもやりたい放題
魔人として備わった能力のひとつ、魔族が現れる時の『空間の裂け目を自由に自分だけの物として使える能力』で鞄をそこに放り込む
これで手ぶらで帰れる










あれ、ミリーは？
レイドルさんならかわもっちゃんのところ行くってさっき窓から出てったよー
あーほんと？ありがと
ボサっとしてると取られちゃうよー？
うっさい！亮太はそんなんじゃないから！
またまたー♡


あいつも元気だなぁ
「カライド〜ラーメン食いに行こうぜ！」
「駅前のとこ今日替え玉無料だってよ」
「お、行こうぜ行こうぜ」
悪友の山口と鳥谷が何とも素敵なお誘いをしてくる
これに乗らないやつは男じゃない
「今日は面白いもん見せてやるよ」
「もう鳥谷のメガネ芸じゃウケないぜ？」
「舐めんなよ？今日は鼻からメンマ出してやる」
こいつ本当に人間か？
しかも汚ぇ
人間か怪しい奴もいるがこの人間界
まだまだ退屈しなさそうだ


ただ気がかりなのが魔界に残してる妹と実家の店ぐらい
大丈夫だと良いな。店の売上