五つの世界の端々で

とっとこクソ太郎

4人集まれば 8









「何です?これ」
「え、何これエブッ」
全力で崖を登ってきた亮太と上空から降りてきたミリアが見たのはグチャグチャに崩れた足場と共に戦う友人のほぼ全員
しかし急に現れた見知らぬ黒い塊の手を踏みつけられ亮太は奇妙な声をあげる
「誰だこいつ」
「ほう、貴様オレを忘れたのか」
「お前のようなクソ無礼な海藻ははじめてだワカメ野郎。味噌汁にしてやる」
「あぁっ許してヒロくん」
「殺すぞ亮太!!」
「こらこら岩村」
ぺっと亮太の手を蹴り払い崖下に落とす
それを間一髪のところで関根がキャッチして片腕で引き上げる


魔術師 関根拓真
属性は地
肉体を人類の限界を越え更に強化する事で徒手空拳のみで戦う
近距離の戦いに非常に秀でており岩村、健治にも引けを取らない
「お二人は亮太さんが戻るのをご存知だったのですか?」
「俺は魔界でこいつと少し前に会ってるんだ。帰れないみたいだったからゲートまで連れて行ってその後にカライドと帰ってきたんだけどさすがにまだ追いついてないかな?岩村にはこっちに帰ってすぐ電話で連絡したから分かってはいたと思うよ」
「だから遅れたんですね?岩村さん」
「ん?おう」
「待て、電話で普通に寝坊したって言ってたろ」
「岩村ぁ!」
「それに関しては全面的にすまん」
背中を割り込んできた美空に蹴られ受け身も取れずうつ伏せに倒れ込む岩村
なるほどです、と呟いてミリアは亮太の後に控える
「しかしまぁ、懐かしい顔ばっかだなぁ」
「アンタがいなくならなければ懐かしくも何ともない顔ぶれよ」
「別に帰ってこいとも言ってないけどな」
「冷たいなぁ美空!?お前もなんでそんな冷たい岩村!?」
酷い言葉を浴びせられるがそのやりとりすら懐かしい
「でさ、今のタイミングで聞くのアレだけど根っち?片瀬ちゃんとどうなん?」
「えっ。いや別に…」
「は…?」
「進展なし」
「マジかよ健治。どんだけマゴマゴしてんだよこいつら」
「あっちょっと川元くんその話は……」
オロオロする由美と関根に大きなため息を吐く
周囲も似たような反応をする辺り本当に何も無いんだなと確信。少し離れた位置のリムに歩み寄る
「リムも大丈夫そうだな」
「何とかね〜。美空ちゃんが1番酷い怪我してるわよ〜」
「よし、んじゃあ女の子だと思うやつは全員下がれ。思わないやつは仕留めに行くぞ」
「へっ?」
「お前もだミリア。良いな岩村」
「構わない。片瀬は2人の治療と念の為ミリアが周辺警護だ」
ミリアにしっしっと手を払って美空、リム、片瀬とまとめて行動するよう促す
「健治もここまで良くやってくれた。最後の仕事はその海藻野郎と運ぶだけだ。関根はあそこまで飛べるな?」
「あ、核が頭のすぐ下にあるから180度回転させて欲しい」
「なら俺と関根でそれをどうにかしてやる」
パンと手を叩いて佐久間と似たように全員が動くよう合図する
海上ではタコがゆっくりと態勢を立て直したようで少しずつこちらに向かっているのが分かる
距離は約200メートル
「あの距離なら大丈夫だ。全員好きにやれ」
「了解」
「あいよー」
「えっえっ?どうすればいいの?俺」
順に岩村、健治、亮太、関根
四者四様の反応
「あ、後もうすぐアリスが1発デカいのをかましてくれるからそれを合図にしてくれ」

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