脳内電脳ゲイム

月神

第十話 再生される者

「アキっアキっアキ________。」

 イルは泣き叫んだ。ただひたすら地べたを叩いて、

「どうして私はアキを守れなかったんでしょう…。」

「…姉様。ひたすら泣き叫んでも何も始まらないわ、まずは目の前の敵を…」

「それで!?それでアキはどうするんですか!?。」

「アキは…

…………………。」

キルはもう諦めるしか無かった。

「1人の命を守れなかった私は…天使失格です…。」

イルは自分の力に絶望している。

「それで、幾。貴方はどうして瞼を閉じ、俯いてるんですの?。」

そうだ、まだ幾は目を閉じて俯いたままだったのだ。

「……………………………。」

幾は黙ったまま、ひたすら俯く。

「…なんですの…一体…っ?。」

キルが疑問を抱きながらアキをただ見つめていた。



『アイズ』のメンバーはその様子を退屈そうに見ていた。

「なーんだっ、強そうな剣持ってると思ったらこんな雑魚だったのか〜後はそんな雑魚のキミらを殺すだけだ〜!。」

「……誰がアキの事、『雑魚』ですって…?。」

キルの様子が変化した。キルの持つ杖から紫黒い炎が出てきた。

「…キっ……キル?
貴方何しようとしてるのですか?。」

一瞬。

 キル以外のメンバーは何かを察した。

「「「「「「(絶対。彼奴を、

殺す。)」」」」」」

と。気づいた時にはもう遅かった。

バァァァァァァァンッッッッ

「あいたたたた〜…。」

「ギャハハハハッッッ
もっと…もっとやられるがいいですわっ!。」

キルは、キルじゃ無かった。
見違えるように違っていた。

他のメンバーは見てるしか無かった。
最早、あの状態では手出ししても戻らないと察したからだ。

「くっ…つっ…強くなったね〜急に。」

『アイズ』のメンバーも反抗できないほどに体力が削られていた。
抵抗もできない。

「フッふふ…
偉大なる悪魔 キル…。道は開かれた。我に力をっ!!。」

他のメンバーは静かに燃えゆく死体を見ていた。

同時にキルは呼吸も何も無いアキの所へ向かった。

「アーキぃー…貴方はそんな弱いPlayerひとじゃ無かったわよねぇ…??。」

喋れもしないアキにキルは問う。

「るーるるーるる〜
るるるるるるーるる〜♪」

ニアは、とにかく和ませようと歌を歌う。

「………………。五真…。お前ならどうする…?。」

五真は正座をして、自問自答していた。

「はわわわわっ…どっ…どう…しよう…。」

奈瑠はパニックになる。

「これは…流石にやばいにゃ…。」

るるは絶句する。

「キル…。アキ…。」

イルは2人の事を心配する。

無限の剣インフィニティー・ソード…は…?。」

イルが気づく。アキの手元にあったはずの無限の剣インフィニティー・ソードが無いのだ。

「…あれどす…。」

やっと喋った幾が指さした先には、光ってる雲があった。

「あれがなんです?。」

ニアが問う。幾は、

「…見えないんどすか?…あそこ…。」

全員は目を凝らして見た。そこには
空に浮かぶ無限の剣インフィニティー・ソードの姿があった。

「…なっ…なんか…方向転換してこっち来るんですけど…?。」

不可解な現象が起きている。

そして無限の剣インフィニティー・ソードは移動速度を上げた。

ズバッ グサッ!

「あ"あっ…。」

そして、キルの心臓目掛けて無限の剣インフィニティー・ソードが刺さったのだ。

あっという間に力尽きて倒れるキル。

そして、無限の剣インフィニティー・ソードはゆっくりとアキの所へ戻った。

「キルまで死んじゃうの…?。」

イルはもう泣き叫びそうだった。

いくら回復魔法をしても治らないのだ。



その時だった。

「…やっぱ、女神さんは天才ですね〜。2人死んだって思える頭があるんだから。」

鳴り響いた低い声。

「もしかして…アキ??。」

「ああ、そうだ。」

「どうして戻って来れたんですか?。」

「女神さん。貴方はゲーム世界の神じゃないんですか?ゲームだったら普通再生コンティニュー出来ると思うんですけども…?。」

真顔でアキはイルに言った。

「…あーそうですね!!いやいやぁ…私もそう思ってたんですよ〜。」

イルは誤魔化した。

「それで、キルはどうなんですか?。」

「あーそれか〜見てれば治るよ。」

全員がキルを見つめた。

「…うっ……。」

キルの瞼が開いた。

「キル!?大丈夫ですか!?。」

「姉様?…大丈夫…ですけど…。」

「訳はこうなんだよ、俺が死んだ事によって俺の中に取り付いてたものがキルに移ったんだろうね、だからこの剣インフィニティー・ソードは守るためにキルを刺したって事。幾、お前は全て見ていた様だったがな。」

「そうどす。そりゃあ妾だって能力者どすからねぇ〜。」

幾は笑顔で語った。

「正直。キルにそんな力があったなんて思いもしなかったな。」

「……?。」

どうやらキルにはその間の記憶が無いらしい。

「とにかく、終わってないんだからな、あんま死ぬなよ。」

五真が心配する。

「ああ、ありがとうな。」

静かに礼をしたアキだった。



______再生される者______




あとがき
どーも月神です!
不定期って言ったのでしょうがないです!!(何も言ってない)
テストありました〜順位上がりました〜そして期末がすぐそこで〜す。
最悪で〜す。

ってことでわたくしめの事情説明でしたー

そして第十話!達成致しました!
これからも「脳内電脳ゲイム」をよろしくお願いします!!

それでは!次の第十一話で!

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