脳内電脳ゲイム

月神

第五話 偉大なる悪魔の刑。

『ここを通りたくば俺を倒してからにするんだな。』


兵士に言われたこの言葉を受けたアキ達は、たちまちやる気に満ちた。


だが、


一つ。






「でも、アキの武器はどうしますか?。」








予想外の事態に本来の目的を忘れていたのだ。


「それは後、今は俺はいいから自分達の城を守れ。俺の武器はその後だ。」


アキの言葉に納得した二人は、アイコンタクトを取り、それぞれの魔法を放つ準備をしていた。


「キル!行きますよっ!。」


「言われなくてもっ…やりますわっ!。」


と、同時にイルとキルはそれぞれ魔法を放った。だが…。


「ぐっ…なかなかやるようじゃねえか。だがな…俺はここで死ぬわけにはいかないのさ。」


兵士が苦しげにそう言った。全く倒れないのだ。


「どうしてですかっ!?。」


「どうしてですの…?、キル達の魔法は聞いてるはずなのに…!?。」


「それに…アイズの兵士さん。どうして私達の城に入ってここを守ってるのですか…?。」


イルが疑問に思う。


「女神さん、今その話はどうでもいいです。今は戦闘に真剣になってください、全滅しますよ。」


アキは呆れたように言う。キルも同感した。


「さあ、俺の必殺を受けるがいい。………はぁぁぁぁぁぁあああああああああああああああああっっ!!!。」


大きな声と共に兵士は人が変わったかのように黒や赤のようなオーラを放ち、あのような黒かった目は赤に染まっていた。その様はもう、ゲームで言う中BOSSのようだった。


 そんな展開の中、アキ一向はあの兵士に勝てる方法を探していた。キル、るる、五真、奈瑠はイルを守らなければならない。どうしてか、それはアキ達の中で唯一イルが回復魔法を使えるからだ。そんなイルが倒されたらたまったもんじゃないであろう。誰も生き返られなくなり、全滅してしまう。


「まだ私達は動けます!!、アキは何か勝てる作戦を!!!お願いします!!!。」


「五真、護衛するわ。」


「おうよ、あんがとさんよ。」


色々アキは考えているのだ、だが、あの状態ではとても勝機が見当たらないのだ。


彼女達を襲う体力の限界、


そして、『勝てそう』に無い絶望的空間の中。


アキは武器を持ってないが、いつの間にか『勝てそう』に無い気持ちと戦っていた。


「ぐっ…もうっ!!まるで歯が立たないわね…。」


「弱点があればいいんですけれど…。」


「それならるるのスマイルにゃんね!にこにこスマイルで戦場の皆をメロメロにしてあげるにゃん!!。」


バトル中にも関わらず笑顔を絶やさないるる。少々危機感があるが、その姿は頼もしいものに見えた。


「はわわっ…どっ…どうしましょう…えっと…こういう時に使う魔法は…。」


「奈瑠!、リフレッシュリフレッシュ!!ですよ!。」


焦る奈瑠に優しく声を掛けるイル。奈瑠は深く呼吸をし、


「そっ…そうですね…この暗黒魔法でどうでしょう…。えいっ!!。」


奈瑠が冷静さを取り戻し、魔法を放った。


「ぐわぁっ…。」


「奈瑠!!、効いてるみたいです!!。」


たまたま放った魔法が敵に効いたようで、『アイズ』の兵士が怯んだ。


その隙を狙い、イルとキルは魔法を放った。


「ヴヴぅ…。」


「まだ倒れない…だと…!?。」


兵士は倒れなかったのだ。相当このゲーム世界で死にたくないと思ったのだろう。


その時だ。






ピーン___________






キルの放った魔法が兵士の急所に当たったのだ。






ここで奇跡が、






「アキ!!、今落ちてきた武器を取ってください!!!。このような奇跡を無駄にしてはいけません!さあ、戦うのです!アキ!!。」


魔法の反動で武器が飛んでアキ達の後ろに落ちてきたのだ。


それは剣だった。ゲームの勇者なら誰しもが手にする武器の種類だ。アキは、特別運動神経は良くはないが、力を振り絞りその剣を握った。その瞬間、兵士の視線がアキに集中した。恐らく狙ってるのだろう。


「ヴヴぅ…ヴヴぁぁ!!!。」


兵士は勢いよくアキに向かって走って来た。全員アキの防衛体制に入っていた。


 いつの間にかアキの前には兵士が居た。アキは緊張のあまり、剣を振る事ができなかった。その隙に兵士はトドメの一発を刺そうとしていた。絶対絶命の危機に陥ったアキはますます動けなくなり、兵士が武器をアキに振ったその時だ。


「アキ!なにぼーっとしてんのよ!もうっ死ぬ所だったじゃない!ですわっ!。」


キルかその兵士の動きを封じ、胴体を倒させたのだ。


 アキはその隙を見逃さなかった。やっと兵士の喉元に剣を向けることが出来たのだ。


「アキ!一発おみまいしてあげてください!!。」


「分かった。」


アキは、その言葉と同時に剣を思いっきり兵士に刺したのだ。


兵士の姿は元に戻った。


「終わった…。終わったんだ!!!。」


「やりました!アキっ!。ついに武器を手に入れましたよ!!!。」


アキ一向は歓喜に溢れた。そしてイルは兵士に質問する。


「兵士さん。どうしてアイズが私達の城にいることを命じたのですか?。」


「さあ…?それは分からない…。」


「まあ、いいですわ。それにして、貴方は非常識な人間ですわね、悪魔の刑を受けるに値するわ。」


キルはある魔法を放った。


そして兵士の足元から炎が上がったのだ。


「さあっ!!偉大なる悪魔の裁きを受けるがいいですわっ!!。はあっ!!!!!。」


「おっ…俺の身体が…焼けて…ゆく…。」


そして、兵士は灰となって散った。


「キル。今のは流石に…。」


「いいんですの、ああいう非常識な人間は早く消し去って貰った方がいいんですの。」


キルが自慢気に言う。


「そう言えばアキの持ってるその武器って城の中にありましたっけ??。」


「姉様…あったわよ…。」


「そっ…そうでした…いやぁ…分かってましたよ…あはははー…。」


イルのうっかりごとに全員が笑った。


でも、まだアイズは倒せてないのだ。油断は禁物。


アキ達は、また、アイズを倒す旅に出るのだった…。






______ 偉大なる悪魔の刑。______






あとがき


どうも!月神です!。ほんっとに更新遅れました!!!すみません…m(_ _)mテストやらなんやらあったので…やっぱり一年の最後のテストってなんかやる気が出るんですよね〜。勉強頑張りました!!!。三計五計共々40位以内に入る事が出来ました!。まあ、この結果は一学期末のテストの順位とあまり変わらないのですが…。
さておき今回の話はどうでしたか?、壮大なバトルシーンを文に表すのって難しいですね…。


それでは次の話で会いましょう!。

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