恋愛大作戦　2

亮さんは私の元夫

彼と呼べばいいのだろう、彼には秘密があった。実は女なのだ。

めぐみ君には内緒にしているのだが、亮さんがめぐみ君の母親で、先に死んだ母親が実は父親だったのだ。トランスジェンダーだった二人は結婚し、お互い名前を交換したのだった。そして、夫婦生活をしていてどうしても二人は子供が欲しかった二人は禁断のセックスをしてできたのがめぐみ君だった。

「沙織…なんの用だ？」

「実は…めぐみ君を振り向かせたくて…」

「それなら、既にできているのでは？」

私は亮さんに詳しく話をした。するとしばらく考えて

「距離が近すぎるのかも…」

「どういう意味？」

「近すぎるとお互いの存在が薄くなるんだ。例えば夫婦になった時はラブラブなんだけど、しばらくするとお互いそれが当たり前になって、いつの間にかさめてくる」

「それって」

「いつもそばにいるからかえって、安心しきっているのかもしれない」

「でも…どうやったいいの」

「ちょっと距離をおいてみればいいかもしれないな」

「そんなことでめぐみ君の気を引くことができるかしら？」

「俺の知り合いに顔は爬虫類系の顔をした男がいて、どうみても彼女はできそうないとみんながいっていたんだ。すると、ある日、美女をゲットしていることが分かった」

「それと私の話に関係があるの？」

「ある…その男、一年間毎日猛烈にアタックしたそうだ」

「それって…ストーカじゃないの？」

「彼はその点はわきまえていて、順序だって、彼女にアプローチをしていき、やがて、毎日あうようになって」

「そうなの…で？」

「彼は不運なことに交通事故にあってしまった」

「それで？」

「毎日、来ていた男がある日突然来なくなったその美女は彼のことが気になって仕方なくなり、彼と連絡をすると事故にあって入院していると聞いて、そのまま、病院に行ってしまった。そして、彼を見た瞬間、その場で泣いたそうだ」

「しんぱいしたんだから・・・って」

「まさか…そう、そのまま二人は結ばれることになった」

「ということは？」

「沙織は、毎日、めぐみとあっているだろう？」

「はい」

「数日、雲隠れでもしてみるか？」

「え？」

こうして、亮さん指導の下、私の恋愛大作戦は発動されたのだった。