彼女の事情

「私が結婚しているなんて絶対に言わないで」

そんな彼女の口止めに俺は、同意せざる得ない。それは、学校である意味でパニックが起きるからだそんなめんどくさいことはお断り、だから

「わかったよ」

簡単な言葉で話を終えた。俺は、彼女の様子を見ると

「な・・・なによ・・」

「何でもないよ・・・新婚さん」

すると、黙って俯いて悲しそうな顔を見せた。

「・・・・」

この様子だと昨日は初夜ではなかったようだ。別にいいんだけど、取りあえず、学校での混乱を避ける為

「もし、みんなに一緒に住んでいることがばれたら、両親が再婚したことにしよう」

「いいわ・・でも・・・大丈夫？」

「たぶん・・・ファンクラブの連中で極左の連中があぶないけど・・・ま、何とかなるでしょ」

そんな俺を見て、

「それにしても、不思議なのは、あなたよ」

「なんで？何が不思議なんだ？」

「こんなかわいい子が近くにいるのに、どうして普通でいられるの？」

「ロリコンだから・・」

驚いて両手で口を塞いでいる。完全に信じているようだ。

「うそ・・」

「信じた？」

「ちょっと・・・」

「うそだよ・・」

「だよね～」

「君は、親父のお嫁さんだ。たとえどんな綺麗な人でも、お母さんになる人

そんな人と恋愛感情を持てると思う？」

「それは・・」

「という訳だ・・・学校では、みんなに知られるまでこれまで通り」

「え？なにが？」

「だから、おれは、先週君に振られた惨めな役の男の子を演じるから」

「そうなの？食堂でなにかたべてそうだけど・・・」

「それはべつ・・」

「と言訳で、明日からよろしく、お母さん」

「学校では、絶対にそれで呼ばないでね」

「わかっているよ」

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