神龍獣魔のキャンダーラーッサル

玖 慰

カムイ・ファン・リアリルレーン

 目が覚めたら、女の人に抱かれていた。
 その人は、銀髪碧眼のモデル体型で、とてつもなく美人。

 そんな人が、俺に話しかけてきた。

「カムイ~ママですよ~」
 と、俺に向かって話し掛けてきた。女性。俺の母親らしい。
 首は動かないので、目線だけ他のところにやると、猫耳に猫の尻尾をつけた12歳ぐらいの黒髪ストレートロングヘアーの少女が、メイド服を来て、立っていた。

 そんなこんなで、回りを観察していると、ドアと思われるものが、開いた音がした。そちらの方を向くと、がたいの良いイケメン野郎が、こっちに向かってきた。

 イケメン野郎が、俺の頬に触れながら、
「これから元気に育つんだぞ、我が息子よ。」
と言った。

 どうやら、この家は、貴族かそこらの家なのだろう?俺の頭に、その予感が、よぎっていた。

「旦那様。」
「なんだ?」
「奥様も出産なされたばかりのため、早めにお休みになった方がいいかと。」
「あぁそうか。わかった。カムイ、エミリ、お休みに」
「お休みなさい~。あなた~。」
と言って父と母はキスをして、俺をベッドに戻してから、2人は去っていった。

          (一川一)

 あれから三年、今日が3歳の誕生日。今日から剣術と魔法の訓練が始まる。

 何故3歳からなのかと言うと、家が貴族、しかも、戦争の大前線となる辺境伯だからである。

 3歳から訓練を始めて、5歳の契宝けいほうで神からステータスを受け取り契約神、契約妖精、契約獣のどれかを授けられて生活して行く。

 それが今の世界に生きる人間の基本的生活。
 神々の目的は違う。目的とは、神同士の争い。邪聖神争の道具。

 その為、聖妖精や聖獣は、聖神に。邪妖精や魔獣は、邪神に。人の心と最も結ばれやすい者と結ばれる。

 その為に、我リアリルレーン家は、少しでもステータスが上がり安くするために、早いうちから訓練して行くのだ。

 そんな考えをしながら、服を着替え、家の庭へと向かった。

 庭には、父と、姉のカグラ・ファン・リアリルレーンがいた。

「カムイ。やっと来たか。それでは、先ずは剣術とから教えて行くぞ。」
 と言って、木剣を、投げてきた。
 俺は、それを受け取り、父を見た。
「先ずは素振りからだ。体の上段から下段に、下ろして行く。先ずはやってみろ、悪いところを指導してやる。」

 俺は、素振りを始めた。頭の後ろ辺りから、腰付近に降り下ろす。それを繰り返していった。

 すると、父から、
「隙がありありなとこ以外完璧だな。」
といってきた。
 これなら、と続けて、
「模擬戦で経験を積むしかないな。」
と言って、模擬戦の準備をして居た。

「じゃあ、模擬戦を始める。ルールは、カムイが俺に剣を当てられたらカムイの勝ち。5分いないに当てられなかったら、俺の勝ちだ。いいか?では、カグラ、合図を頼む。」
「わかったの。よーい・・・・はじめなの」

 模擬戦が始まり、俺は、真っ直ぐに父の方へと向かった。剣を上に構えて、上から下へと降ろす振りをして、横薙ぎに振るう。

 父は上からの構え俺が、横薙ぎにしたにも関わらず、そのまま下ろしていった。

 俺は、急いで、横に避けたが、体勢が崩れて、頭に1本喰らってしまった。

「勝者、父様!!」

 というカグラの言葉により、模擬戦は終了した。

         (一川一)

 午後になると、今度は魔法の訓練。
 午前とは違い午後は、母が訓練を着けてくれる。

「では~、始めに~魔力の操作を~始めます~。」
と、間の抜けた声で、始められた。
「先ず~魔力とは~、体の何処かに~ありま~す~。何処を~通っているでしょう~」
 こういうのって大体は血液と同化してるとか言うよなー。
「血管?」
 俺が答えると、母は少し驚いたように、反応していた。
「カムちゃん正解よ~。なら~それを感知してみよ~」

 そういわれてもと思いながらも、血液を感じるようにしていると、血とは別のなにかが、体の中を巡っていた。

 俺はそれを、右手に集まるようにすると、掌に、少し薄い透けるような紫色の球体が、そこにはあった。

 母は、驚きすぎて、放心状態だったので、俺は一人で部屋に戻った。

 そんな生活が、2年続き、今日が契宝の日となった。

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