わがまま姫と猫系執事

三崎咲








三日月 梓(ミカヅキ アズサ)。





それがあたしの名前。





あたしのお爺様は三日月財閥っていう大きい財閥の会長。



つまり、あたしは何一つ不自由のない
れっきとしたお嬢様よ。





それなのに………………







「柊!!花壇に植えてあったヒマワリを枯らしたのあなたでしょ!!」





あたしはヤツの、




執事である柊 一樹(ヒイラギ イツキ)を問い詰める。




この屋敷の中でも特に広い、ダイニングルームで朝食の準備をしていた柊は


あたしの方を見てめんどくさそうにため息をつく。





「お嬢様、ヒマワリ育てるのは私の仕事ではございませんので。」





さっさと話を終わらせようと

一言あたしに言うと、朝食の紅茶を注ぎ始める。



 
「けどあたしは2週間前にあなたに言ったわ!
このヒマワリを育ててねって。」





「苗を手渡されて、゛植えとけ゛と仰っただけでしたが。」





「植えるだけじゃなくて育てて欲しかったの!!」





「左様でございますか。」




「゛左様でございますか゛じゃない!!」







ダイニングルームで言い争うあたし達を


他の使用人やメイドは慣れたと言わんばかりにほったらかして準備を続ける。




柊はあたしと話してるのが面倒くさくなってきたのか

あたしの背中を押して部屋から追い出そうとする。




「朝食の準備が出来ましたらお部屋まで呼びに参りますので
少々お待ち下さい。」




あたしに有無を言わす隙を与えず

颯爽と部屋から追い出して扉を閉める。







「あの男っ………本当にムカつく!!」





廊下に追い出されたあたしは床を蹴りながら部屋へと戻る。




………………柊が呼びに来たって、絶対部屋から出てやんないんだから!!





























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