宇宙の星くず

春田 よぎり

23話目 泣かないで

泣かないで
夜の空の下で
寒さに凍える君
君なら大丈夫
なんて言葉が
1番孤独を運んできた
泣かないで
何も出来ない
ちっぽけな僕
わかっているからこそ
よけいに
苦しかった
冷たい洗濯物を干しながら
これがなかったら
僕は本当に
いらない存在になるのだと
心が震えた
だから
誰でもいい
誰でもいいよ
心の底から
僕を好きだと言って
優しく
一緒にいないとダメだね
仕方ない人だねと
笑ってほしかった
でも
そんなこと
幻に近くて
お守りみたいな
ずっとある言葉
泣かないで

泣かないで

泣かないで
誰か
いつか死は
ちゃんと訪れるから

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