モンスターのスキルを奪って進化する〜神になるつもりはなかったのに〜(修正中)

刺身食べたい

第23話:物騒な、奴

ーーマエルド視点

   僕の名前はマエルド・フォン・ラートリア。王立ソフメル学園の1期生だよ。
   僕には2つ年上の兄と2つ年下の弟がいる。風の便りで近々、シズナの誕生日パーティがあるって聞いたんだ。それを聞いた時、僕はあることを思いついた。
   それを伝えに僕は遠く離れた別の寮にいるシェルド兄さんに会いに行った。

   兄さんが住んでいる寮の部屋の前に着いた僕はドアをノックした。いくら、家族でもいきなり入るのは無礼だからね。

「誰だ」
「兄さん、僕だよ」
とは誰だ」
「マエルドだよ」

   あまり、意味がない会話を交わしたあと、兄さんがドアを開けてくれた。

「いつも、言っているだろ。自分の名を先に言え」

   いつもと同じ様に小言をもらった‥‥‥直そうとは思わないけど。

「兄さん兄さん、シズナの誕生日パーティがもう少ししたらあるってさ。そこで、シズナを驚かすために僕達も家に帰ろうよ。多分、喜んでくれると思うよ」

   早速僕は兄さんに提案した。帰ってきたのは概ね、予想通りの返事だった。

「そうか‥‥‥では、父上に馬車を手配してもらうべく手紙を送ろうか‥‥‥シズナの誕生日まであと何日だ」
「えーっとねー‥‥‥あと、2週くらいかな~」
「ならば、すぐにでも手紙を書いて送らねば‥‥‥」
「そうだね~」
「じゃあ、あとはよろしく~。僕は僕でやることがあるから~」
「ああ、わかった」

   そう言って僕は兄さんの部屋から出て行った。

「さてぇ~‥‥‥何をしようかな~‥‥‥シズナにあげるプレゼント‥‥‥吸魔石‥‥‥じゃなかった、ダメージを吸収する『すいと~るくん』?それか、能力値を1刻だけ、10倍にする『強化薬つよくな~るくん』?でも、つよくな~るくんは次の日、何も出来ないくらい体が痛くなる失敗作だからな~‥‥‥あげるのやめよ‥‥‥すいと~るくんの方がいいか‥‥‥」

   あっ‥‥‥いつの間にか僕は独り言を言っていた。考え込むとすぐ口に出る‥‥‥僕の悪い癖だな~‥‥‥別に誰も気にしないから直そうとは思わないけど。

   あと、プレゼントの箱はーー使用人の人達は家族ーー
   そうと決まったら、早速準備しよう。そう思って僕は自分の寮に戻った。

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