異世界生活物語

花屋の息子

酒豪の血

 今回も獣脂を入れて帰るのはズタ袋である、時間が無かったので、これを使うしかなかったのは、反省点だと思う。
 解決案は出来ているのだが、作業に移れるかどうかは、俺の時間効率が大きく係わるので、結局おれ次第と言う事なのだ。従業員募集、給与体系、現物支給、就労時間用相談の看板でも立てとくか?
 冗談はさておき、現時点で考えている解決案は、箱車ハコグルマ。50代以上の田舎人なら、もしかするとと言うレベルの、骨董おもちゃの部類に入る遊び道具だが、子供でも作れる構造の簡単度合に加えて、輸送面でも箱型をしている事もあり、その能力はなかなかバカにしたものではないと思う。
 簡単なイメージは木製リンゴ箱に車輪が4輪、それに曳き紐を付けた物だが、車輪の大きさだけは、小さくする訳にはいかない。
 舗装道路と違い、土引きの道路には無数の凹みがあるので、キャスターサイズの車輪では、進むよりも引っかかっている時間の方が、長くなってしまうからだ。
 見た目不格好にはなるが、どうしても大きな車輪を、付けざるを得ない、絶対にダサい事請け合いである。
 肉体強化をしながららでも、それなりの重さになったズタ袋を、サンタ担ぎで背負いながら帰路に着く、サンタクロースを知っているのは、俺しかいない事もあって、割と気恥ずかしさが無くて精神的に来ないのは助かる事だ。
 ウチの納屋まで着くと、父と祖父が土山を作っていた。これは童心に返っての土遊びをしている訳ではない、現在1つしかないカマドの増設作業を手伝ってくれているのだ。
 本カマドは後日改めて作るのだが、今日の作業から使うための簡易カマドだけは、二つは増やさなければと程好く酔っ払った二人に、昨日のウチに話しておいたのだ。
「じいちゃん父さん、おはよう。こんなに早くから、もう作ってくれてたんだ。」
 泥酔できるような酒ではないが、そういった酒の方が、悪酔いしやすいはずで、総アルコール量だけで言ったら嗜むほどでも、翌日青い顔をしているなどは意外と多いのだ。
 そんな中二人は、一切の酒臭さも無くいつもと変わらぬ動きで、カマドの方を作り上げている、前世で欲しかったなと思うほどの酒の強さだ、好きになれるかは微妙だが、あのマズ酒で二日酔いにはなりたく無いので、ぜひその酒豪スキルは遺伝していて欲しいものである。
「あぁ、おはよう。それ程飲んではいないからな、どうと言う事は無いよ。それから、この位で良いのか?」
 だから普通は潰れるんだよ。
「もう少し低い方が良いかなー」
 簡易カマドは、土を押し固めただけの作りなので、耐久性にはかなりの不安があるが、その分当日と言うか、即使う事ができて、炊き出しなどにも使われる、フットワークが軽いカマドなのだ。

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