異世界生活物語

花屋の息子

肉屋覚醒?

「僕は骨は使わないし、おじさんの所ではいっぱい出るでしょ、何か使えないかなって?あっ、でも畑に撒くとカイバクも枯れちゃうから、絶対にダメだよ」
 注意もしないで、枯れたなどと言われても、責任が取れないので注意だけはしておいた。
「うぅーん、そうだねー、畑以外で草を枯らすかー、それはどのくらいで枯れるんだい?」
「2~3日で枯れるよ、最初はだんだん元気が無くなって、取った草みたいにシオシオ~ってなっちゃうんだ、後は葉っぱが黄色から茶色になるから、カサカサになるまでだと10日くらい」
「カサカサまでは良いんだ、水を吸い上げられなくなるまで2~3日か、そうか~、エド君は伐採にも行ったって聞いたけど、木では試したかい?」
「ううん、やってない、でも魔物を埋めたところは、木も草も生えにくいって、聞いたからいっぱい撒いたら木も枯らしちゃうかも」
「そうかい、もしかしたら良い使い道があるかもしれない、良い事を教えてくれてありがとうよ、それだけで脂身の御代の価値があるよ」
 地球でも除草剤産業は大分儲かるみたいだったし、それはこっちでも一緒と言う事だろうか、あまり売値が高くならないと良いのだけど。
 それよりも、あの覇気の無い肉屋の顔が、ギランギランしている事の方が、俺としては驚きで、いま一つ売り先まで思い浮かばない俺と違い、あれだけの顔が出来るのだから、商売の道筋は出来ているのだろう、うまく行く事を祈っているよ。
「おっと、今日の分はまだ作業場に置いてあるんだ、脂と骨を一緒にしちゃってあるから、分けるのを手伝ってくれるかい?」
 別段覚醒状態が維持される訳でもなく、ギラついたのは一瞬だけだった。
「うん」
 作業場は、奥の切り分け場とは別に、店舗兼住宅の隣に作られた、簡素過ぎる掘っ立て小屋の事だった。
 血の臭いや獣臭を篭もらせないためか、はたまた手抜きか、壁などは無く柱に草葺き屋根が、乗っているだけ至って簡素な物。
 内装・・・と言っても解体用の作業台とゴミ箱代わりの中樽が置かれているだけ、これを内装と言うかは人それぞれと言う事で。
 そのお目当ての物は、その中樽に骨やクズ肉と一緒に放り込まれていた。
 透き通るようなは、言い過ぎにしても透明感のある白い脂身、この辺りも地球の感覚とは少し違うようだが、魔獣の脂身は劣化していなければ、これほどに綺麗な物だったとは、少し驚きである。
 いっしょに入ていたクズ肉は、仕留めた際に付けた物だろう、大きな傷の開口部や傷を負わせた部位が、丸々切り取られて捨てられていた。何だかモッタイナイ。
「それは食べられないんだ」
 モッタイナイは世界を跨いでも語訳が無いので、この世界でも使われる事が無いのだが、感情としてはあるようで、おじさんの表情からは、モッタイナイが溢れていた。
「傷だけでしょ?」
「武器で切るからね、毒になっちゃうんだよ」
 そう言う事か、微生物などの知識が無くても、武器が汚い事くらいは、周知の事実と言うヤツだ。
 態々殺菌済みの武器で獲物を取る真似をするヤツなどいない、使い回して拭った程度の武器には、それなりの病原菌が付着している事だろう、それをそのまま食べるのは自殺行為でしかないと、経験的に学習しているのだろう。

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