異世界生活物語

花屋の息子

巻き込み決定

 格好の良い事を言ってはみたが、みんなの笑顔をと願った結果、軍事転用されて悲運に見舞われた研究者は星の数ほどいるだろう、先の不幸など何処まで行っても無くなりはしないし、現状では平和利用されているものですら、見方を変えた研究者の発見者が意図しない利用方法を見つけ出してしまう事など、枚挙にいとまが無いのだ。
 今回の軟膏にしたところで、遠い未来なのかはたまた近い将来なのかは解からないが、含まれていた危険物が発見されてテロ利用される事があるかもしれないし、鋤から動物利用「いないけど」が始まり、トラクターが開発されたら戦車に利用されるなど、先の不幸は必ず先の人に責任があるのだから、そもそもの危険物を世の中に送り出さない限りは、俺自身は何一つ後ろめたい事など無いので、それで良いのだと一人納得するしかない。
「そう言う訳だから、軟膏の将来はウェイン義兄さんに託します。まだまだ俺もやるけど、結婚したら姉ちゃんと二人で頑張って下さい、お願いします。」
「まだ返事して無いんだけど」
「大丈夫、後3年くらい経ったらウェインが作るようになって、俺は軟膏を作らないって、後でみんなに伝えるから、絶対作りたいって思えるようになるよ」
「それは作りたいじゃないだろ、作らなきゃいけなくなるだけの話だぞ。ったく、何とか食ってけそうな話し出し、しばらくはお前もやるって言うんだからやってやるよ。その代わり食うに困るとか、売れないとかだったら、畑広げるのが遅れた分だけお前が手伝って広げるんだからな。」
 ベンチャー企業の立ち上げに巻き込んで潰れたじゃ、この世界は即食い詰めになる訳なのだから、そのくらいは覚悟している、そもそもちゃんとした効果を軍で結果的にだが試験までしたのだから、暴利にさえならないよう気を付けていれば良いだけ、絶対は無いけれど大丈夫じゃないかな。
「任してよ、あぁ目を閉じたら10人の子供に囲まれて幸せいっぱいの姉ちゃんが俺には見えるよ」
 言葉にしなかったが、その横でお客に催促されながら、必死で働くヤツレ顔の義兄の顔も浮かんだのは、ご愛嬌ご愛嬌。
「それ俺はどうなんだよ」
「うん幸せそうだよ」
 子供が10人もできた時点で幸せだろうよ、大家族の父ちゃんは一部を除いて、大概は過労を鼻で笑えるのだ。
 ともあれ宴が終焉を迎える頃合には、何となくその気にさせられたウェインと、おじさん達に事の話をしておかなければなと考える俺、明日からクリームは買えるのかしらとウキウキ顔の奥様達と、なかなかカオスな宴会場となっていた。
 朝から押しかけられたらどう対処すればいいんだろう?
 うん肉屋に走ろう。そう心に決めたエドワードだった。

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