異世界生活物語

花屋の息子

俺の思い

「問題あるだろ、自分で食べるための畑を作らないって事は、お義父さん達の世話になるだけって事になるじゃないか。俺はそこまでの腕が無いから御領兵としては働けないんだし、農家で無ければリースを養っていけないだろ」
 父がやっている御領兵は、今風に言えば兼業農家とも言い換えれる、やっている事は出動の多い一領具足だけど。
 ある程度安定した職業は、農家か御領兵のどちらかしかなく、肉屋や野菜屋などは例外職で誰でもができる事ではない、と言うのが一般認識なのだ。あくまで一般では。
 御領兵の兼業農家が可能なら、軟膏屋ならもっと兼業は簡単な訳だし、消費期限が短いのでリピーターが遠のく危険性も少なく領軍『南門』との契約も済んでいるので、固定収入まである抜群の安定性職業、それが軟膏屋だ。と思う。
「でも、肉屋とかは農家でも無いし御領兵でも無いでしょ、あれと同じだと思えば良いんじゃないかな、今回作った軟膏はね、3日以上持たないから4日目に使おうと思ったら買い直さないといけないし、領軍からの注文も入るから、それなりには稼げると思うんだ」
「それにしたって、お前と二人でやったら半分になるだろ、それでも食べていけるだけ稼げるのか?」
「?俺?最初は手伝うけど、ずっとはやらないよ」
 稼げるようにアドバイスや、新商品開発には手を貸すけど、これを将来の本業にはするつもりは無いのだ。
 これがしたいというモノがある訳ではないけれども、少なくともエドワード軟膏店にして生計を立てるつもりは無い、ウェインに断られて姉も将来的に弟もやらないとなれば、父の老後仕事にしてもらうか、それでも継承者がいなければ、最悪は肉屋のおっちゃんにレシピ公開しても良いくらいに、作った物を独占しなければと言うところは拘ってはいない。
 単純に新しい物好きと言われるかもしれないけれども、まだまだ作りたい物はあるわけだし、もし身内がそれで生計を立てられるようなら、やって欲しいとは思うよっくらいな程度だ。
「おまえはそれで良いのか、これだけの人がお前のために働いてくれたんだぞ、それを・・・」
「だからさ、それに皆が働いたのは、軟膏を作った俺のためで、作ったのがウェインでも皆は動いてくれたと思うよ。誰が作ったとかじゃないと思うんだよね、良い物を作って皆が喜んでくれるなら、それを誰が作っても良いと思わないかい?」
「それは・・・」
「今回の事もそうだけど、皆が喜べる事を1つ作るよりも2つ、2つ作るよりも3つ、多いほうが良いじゃんか、それが10になって100になったらって考えたらワクワクしない?そういう事をやりたいんだよね俺は」
 こんな言い方で納得させられるかは地震が無いが、気持ちが伝わったらいいなと思う。

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