異世界生活物語

花屋の息子

ホントひとつやり出すとお釣りが増える

 ちょっとのドタバタはあったが必要量の倍近い木が伐採できたのだから大成功だ、問題はこの大量の伐採木を乾燥させなければならない事だろう、一体何日掛かるのやら。
 ネックになるのはやはり乾燥に使う風魔法だ、回復魔法はそのイメージさえ出来れば、そもそもの魔力消費自体は高くないので、回復役の人には青っ々とした木を見てもらって、これをお手本にするよう頼んである、最初は俺がそのまま説明しようかとも思ったが、やはりこう言う時は親に頼むのが一番だなと思い直して、父に概要説明をしてもらった。
 あまり前に前に出て小賢者扱いになっても俺の頭じゃ処理なんて出来ない。
 おっと話がずれた、それで回復は何とかなっても、風はイメ-ジが固まろうがどうしようが、風を吹かせるという動力的エネルギーを発生させるので割と燃費が悪い。こればかりは解決案が無いので、日を分けながらやるしか無いだろう。
 集積地では風が吹く音のみが聞こえる、回復魔法にキラリンッとかのエフェクト音があるわけでも無いので、それは当たり前と言えば当たり前なのだが、皆もくもくと作業をしてくれている。
 俺も軟膏の番から開放されて回復魔法班に回っている、と言うか回復魔法班しか行く所がなかったと言うべきか、乾燥班の方には同じ地区でもあまり付き合いの無い人たちもいるので、気を使ったと言った方が正しい、目測と言うか感覚で俺の魔力は並の大人と大して変わらない処まできている、さらには理科のお勉強が役に立っているのか、運用効率は平均消費の20~25パーセント減、大人たちが頑張って4~5本に風を当ててへばる所が俺は6本まで出来てしまう、子供が涼しい顔で大人が必死ではね、いろいろと・・・。
 その日は夕方までやって何とか全体の30パーセントほどまで乾燥を終える事ができた。また明日頑張って下さい。
 今日やって思った事は、腐葉土を作らなくてはモッタイナイって事だ、生木を持ち込んでいる事もあって、乾燥後にはとんでもない量の落ち葉が貯まる、細枝クラスまでは焚付けとして使うので用途があるが、よくよく先端の小枝や落ち葉に関しては、今までなら森で廃棄してしまうために、集落内で利用される事はなかったため、このままではゴミ扱いで燃やされるか森にまとめて捨てられてしまう運命にしかならない。
 落ち葉のみの腐葉土なら1年、砕いた小枝は2年もまとめて積んで置けば、畑に漉き込める良い堆肥に変わってくれるのだから、これを利用し無い手は無いだろう。
 森がこれだけ潤沢に使えるのに、何故落ち葉の利用がされなかったかって、モンスターが怖かったからでしょ、土壌における有機物施用なんて学術的な事を知ってる訳無いですし。
 木製堆肥って一年じゃ土に返らないから年単位のC/N比とかちょっといろいろあるけど、大量じゃなければさほど問題にはならないし、土に返らないので気相確保するためにはかなり有効だったりするんだよね。

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