異世界生活物語

花屋の息子

謎物質

 昼食は和気あいあいとした和やかな雰囲気の中続けられた、やはり美味い物は世界が変わろうと人にとって何よりの報酬なのかもしれない。
 俺としては甘味なんかもあるとさらにヤル気が起きるんだけどな、は~プリン食いて~
 流石に卵も牛乳も無しにプリンを作る方法など知らない訳で、こればかりは家畜そのものがいないこの街においては、夢のまた夢、神様どうして家畜のいない世界にオレを飛ばしたんですか?と、恨み言の一つも言いたい今日この頃である。
 いるのかは解からないが、コカトリスの卵とメスのミノタウロスの乳が手に入っても、それでのプリンは遠慮したいものである。そもそもリスクがパなすぎるし。
 ゆるりとした昼食の時間が過ぎ、全員が午後の作業に戻っていく、男衆は木こりに、女性陣は洗い物にと、そんな中俺は変わらず薬箱の番、ムッキー暇じゃ~。
 昼飯が効いたのか男衆の頑張りは午前中の比ではなく、ガンガンと伐採された木が集積地に集まっていく、それを洗い物を終えた女性陣が風と回復で乾燥させ、集積地にある枯れ木だけでもここに居る家族程度ならば半年は使えるであろう薪は確保できそうだった。
「おーい、こっちに来てくれー」
 一瞬魔物の襲撃かと思ったが、その気の抜けた声にドカッと腰を下ろしてしまった。
「何だか解からんが森の奥に変なモノがあるんだ、魔物とかは出てきてない」
「解かった今行く」
 数人の兵士があわただしく駈けて行く、興味が湧くがまさかここを離れる訳にも以下にので、俺の心は引っ張られるパントマイムをしているかのようだ。
 森からは変わらず伐採音しか聞こえないので状況が解かる訳でも無い、ものすごくモヤモヤした感じだけがする、そんな時間が過ぎて30分ほどたった頃だろうか兵士が戻ってきた。
「・・・ま、巡回はしといた方が良いだろう」
「そうだな、隊長に報告して来る」
「頼む」
 一人の兵士が報告に走り出していった、深刻そうな顔をしていなかったのが救いだろうか、俺は残った若い兵士に話しかけた。
「何かあったの?」
「あー、俺達にもよく解からないんだ、森の中に樽みたいな土の塊がいくつか落ちていたんだが、こんなものは始めて見るんで、取り合えず隊長に報告に行かせたって訳だよ」





















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