異世界生活物語

花屋の息子

ボサボサになりました(笑)

 詰め所に戻って休憩を言い渡され、椅子に腰掛ける俺の頭を撫でるおっちゃん達、手櫛でしか説かす事の無い髪の毛がボサボサになるのは気にしない、が、これで禿げたらどうしようかと思うほど力強く撫でられ、撫で終わった人から祖父に敬礼をして出て行くのを繰り返し、休んでいる気がしなかった。
「エドワード、疲れたじゃろう」
 じいちゃんは付き添いポジから動くことなく、本当に見守っていただけ、治療には手を貸してくれなかった、借り物の槍は持っていたからエンカウントしたら撃退してくれるつもりだったのだろうけど、孫を甘やかしてくれてかまわないよじいちゃん。
「なら手伝ってくれても良かったのに」
「これはお前が言い出したことじゃ、最後まで自分でやらんでどうする、マリオネルのところまで連れてくるのがワシの役目じゃ、そこから先はおまえがやらねばならん、できん事は手を貸すが、出来る事までは手を出すつもりは無いんじゃ」
 それは独り立ちする10年後くらいにやってくれたら十分だよ。
「エドワード君ありがとう」
 声の主はマリオネル隊長だ、頭を撫でていた人達も一応に敬礼体勢をとった、前世の軍隊敬礼から見たら御粗末この上ないものだけど。
「皆持ち場に戻れ、それから第5団スケールボアの解体をしておくように、第4団は乾し肉加工にかかれ」
 今回のスケールボアは乾し肉が出来ると言う事なので魔獣のようだ、プレゼンのつもりで来たというのに戦闘に巻き込んでくれるとは、俺にとっては魔獣ではなく魔物扱いでも良いくらいだ。
「伐採の件は話した通りこちらに任せてもらおう、流石に今日の明日とは行かないが、その辺りはクライン殿とつめるので今日は帰って休みなさい」
「エドよ、1人で帰れるか?」
「うん大丈夫だよ、マリオネルさん(今後とも)宜しくお願いします」
 伐採に出る日にち決めとかは俺向きの話じゃないし、信長○野望とかはやった事はあるけど戦略系はからっきしダメだから、じいちゃんに丸投げで戻る事にした。数で押せば良いなんてリアルじゃ出来ないもん。
 たわいの無い雑談をしているのを見ると、俺が帰ったところで大人同士の難しい話が始まるのだろう。
「マリオネル、孫の薬はどうじゃった?」
「可、と言ったところでしょうかな。しかし今までのように飲んで数日後に効く薬と比べたら、その効果は比べるべくもありませんが。まったくあの歳にしてこのような物を作り出す、末恐ろしいものです」
 俺の知らないところで話し合い続いた、そして伐採日も決まり5日後の朝からとなった。
 そこまでに、作るものを作らなければならない俺としたら忙しい事この上ないのだが、頑張るとしよう。

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