異世界生活物語

花屋の息子

こんな展開・・・良いのか?

 展開としては意外に良くない、長い目で見たらものすごく有り難い、それも採集的に狙っていただけに話向こうから転がり込んできたようなもの、だが、それはおいおいの話しで今は器具も燃料も全く足りていない、こう言うのを本末転倒って言うの?かな。
「いやでも」
「無理なら、いくらクライン殿の孫であるキミの願いと言っても聞く事は出来ないよ」
 かぶせる様に言葉を打ち消されたが、確かに向こうとしたら護衛はしてやるし回復薬は買ってやる、と言っているのだからこれ以上無い話で、それを断るなら、後は知らないと言われてもこちらから言える事は何も無いのだ。
「解りました、しかし私一人では作る事は出来ませんので、人を使いたいと思いますそれは問題ありませんか?」
「君が見て問題が無い物を渡してくれるなら、誰を使おうがこちらとしては問題ないが、」
 続いての言葉が出る前に慌しいのが伝わる足音を響かせて、兵士が駆け込んできた。
「隊長、お客人の所申し訳ありません、森の南西からスケールボアの群れが出ました、何名か怪我人が出ていますが今の所死者はいません、指揮をお願いします」
 取り合えずの約束を取り付けようとしたその時に限って、こう言う邪魔が入るものだ、これはどの世界にも共通の仕様と言うモノなのだろうか?
「解った、丁度良い物が手に入った、怪我人には回復魔法を使わず、これを使え」
 そう言ってテーブルの上にあったクリームの枡を鷲掴みにして、兵士に渡す。
「エドワード君、君があれの使い方を教えてやってくれ、作った君が教えるのが一番だろう?」
 それだけ言うと詰め所から飛び出して行ってしまった、報告に来た兵士はじいちゃんに気付いてはいるみたいだが、話していたのがガキんちょだったのが、イマイチ理解が出来ていないと言う顔だ。
「すいませんでは怪我人の所に案内を、隊長さんが渡したそれの使いかたを説明します」
「クライン殿では無く、キミでありますか?」
 流石はマリオネル隊の人だけあるな、お前のようなガキがか?っとか言われ無いだけ良しとするか。
「急ぎましょう、回復魔法よりは時間が掛かります」
「は、はい、それでは着いて来て下さい」
 そこまで丁寧にされる必要も無かったんだけど、まあ良いか。
「じいちゃんも来てくれる?」
「ふむ、お前に何かあったのでは、いかんからの」
「ではこちらにお願いします」
 御貴族様でも無いのに、丁寧な言葉使いをされるのは、少しくすぐったくあったけど、悪い気はしないなと思った。
 処理しているはず、なのに何故また案件が積み重なるのだ。

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