異世界生活物語

花屋の息子

とんだゲームのヘルモード

 食事の後は流石にやる気が起きない、体を拭いて寝床にもぐりこんだ、本当ならやる気スイッチを探してでも、陶器完成にまい進する所だろうが、前世どころか少なくともお袋のお腹の中にでも忘れてきた物を、取りに帰るには遠すぎる、そんな事を思いながら目を閉じると、一筋の涙も出ずに眠りに付いた。
 翌朝はうす曇の夏の日差しが和らぐ天気だった、昨日寝てしまったので結局土の研究は出来ずじまい、昨日の今日で再戦となれば、器という兵は半分近くがキャンプファイヤーよろしく燃え盛る中で、むなしく討ち死にしてしまう、これだけは避けなければならない、そう思い母の元に急ぐとその表情は少し悔しそうだ。
 その原因は井戸端会議での事だった、再戦はすぐには行われな事が決まったという、理由は簡単な物だった、伐採までにかなりの余裕の薪が残っていたウチのような家からしたら、それでも何と言う事は無いのだが、逆に余裕はあってもかなりとは言えない程度の量しか残っていなかった何軒かは、伐採時期を練ってからにして欲しいと要望を入れたようだ。
 生活用の薪を流用している事もあって、確かに無駄遣いを推奨するような野焼き型の焼き物は、その前提でなければ、家庭使用量を圧迫してしまうのだ、それに乾燥まで視野に入れると切ればすぐ使用可能な、ゲームの薪と言う訳にも行かず、悔しさも残るだろうが薪の確保の方が重要なのだ。ご飯が食べられなくなっちゃあ大変だからね。
 この事で若干顔が白いのは、近所のおっちゃんたちだろう、ウチの父と違ってメインジョブが農民なのだ、生活のために仕方なく森に入っている者が、危険な森にそう何度も入りたいと思うわけが無い、それをこうも短いスパンで「また行ってらっしゃい」と言われたのではたまったものではないだろう。
 前回もいわゆるスライム枠らしいアリ相手に、醜態と言える位のヘタリ方をしていたのだ、そもそも戦闘に向いていないのだ、対人なら問題のある話だが、事魔物相手なら「進め一億火の玉だ」とでも言って、少し戦闘慣れさせた方が、今後の事を考えるなら良いとは思う。
 少なくともスライム枠くらいプチッとやって貰わなくては、ステータスで無双出来る世界と違って、その辺りは地球と変らないので、兵器開発も必死だろうけど。
 土器を作るはずが、あれも足りないこれも足りないで結局それ一つ作ろうとしたら、二つ三つ補助のモノ作らなければ、そもそもの一つを作る事すら出来ないとは、まったくヤル気スイッチは持っていないはずなんだけどな~。

「異世界生活物語」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く