異世界生活物語

花屋の息子

練るだけでも

前世でも陶土に触れた程度の経験はあるし、これに煮ていたと思うから大丈夫だろう、グニグニこねてみると良くまとまる。
周りを見渡すと平らとまではいかなくても、凹凸の少ない岩があったので、さっそく菊ネリモドキと行ってみる事にした、中の空気を抜くための作業だったはずだが、その程度の記憶しか無いのが、何とももどかしい部分で、普通異世界に来た主人公は、この程度の知識は知識のウチに入らないレべルの筈なのだが、俺には備わっていなかった。みんなゴメンね、出来の悪い転生者で(笑)
「それじゃ、いっちょ頑張りますか」
浅いとは言っても川底の土だった事も有って、水気も丁度良い乾き過ぎや濡れ過ぎともなれば、練る事など到底出来ないからな、テレビで見る陶芸よろしく軽くまとめたら、菊紋を画くようにグニグニと練る。
一つ問題なのは、体格の問題であまり大きな塊に出来ない事だろうか、その辺りはあきらめるしか無いところだが、くっ付けてひとつにした時に空気が混入しない事を祈るばかりだ。
「エドはその土で良いの?」
話しかけてきたのはウェインのおふくろさんだった、手に持ったザルには少し荒めの土が入っている。
「うん、こねてみたんだけど、すっごくまとまるからこれが良いと思うんだ」
「そうなのね、その土はどこにあったの?」
隠す必要も無いので、「あそこだよ」と採った場所を教えておいた、まさかの俺の前でザルをひっくり返して、川に入るとは思わなかったけど、解らなくても感じるものがあったのかな?。
本当ならこの練った粘土を、月単位で寝かせたりしなきゃいけなかった気もするけど、今回はそこまで時間かけることは出来ないだろうな、割れたりでもしない限りは悠長な話に、この女性陣が乗ってくれるとは思えないし、今でも暴動と変わらない熱量で動いている、この集まりに待てなんて言ったらどうなる事か、ブルブル恐ろしくて考えるのもありえない。俺も早く鍋が欲しいし。
どうにも子供の粘土遊びとは、一線を隔す俺の手つきに疑問が集まらない事の方が、俺からしたら不思議なのだが、突っ込まれないのはいい事だ、一度に練っているのは湯呑み5~6個分くらいなのだが、鍋サイズにどれほどの量が要るかも良く解らないので、しっかりと量はやっておく。
ふと見渡すと、周りでは採土が大詰めのようで、これが良いんじゃないかこっちの方が良いんじゃないかと、ザルに採った土の品評会が行われていた。
ほとんど使えませんとも言えないし、トホホだな。

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コメント

  • ノベルバユーザー45107

    ここまで読んでストーリーはめっちゃ好きです
    上からですいません
    誤字脱字が見当たりましたでも
    わからないほどではないので
    本当に上からですいません
    将来ひばーちゃんとの
    関わりがきになります

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