異世界生活物語

花屋の息子

クリーム騒動

「あのクリーム、もっと作りなさい」
 朝も早くから、寝ていた俺はそう起こされた。骨の結果的な失敗から、さらに三日後の朝の出来事だ。
 何故そうなったのかは、ここ数日で母の手に起こった、手荒れの回復が井戸端会議の最重要議題として、近所の女性陣から質問攻めに会い、母がクリームの流出を許した事に始まる。
 理由は不明ながらも、塗った者の手が回復し、評判が評判を呼んで、もっと作れと言われているそうだ。
 母に渡した物ですら、有名な青い缶5~6個分の容量が有ったはずだが、用法用量なんて概念も無いだろうから、無駄に付けた人が多かったのかもしれないな、手が油っぽくて仕事がしづらいだろうに。
 一種の人体実験、自分が被験者の第一席にいるのだから批判は受けないだろうの、途中にしか無いので本当ならまだ世に出してほしくなかった、肌に合わなかったり体調が悪くなっても、俺や家族なら簡単に止められるが、拡散してしまったら火を消すのが大変だからだ。
 ここ数日は早起きを止めていたため、そんな事を考えながら、やっと目が覚めた。
「ママ、おはよう」
 母よ、どんな顔をして息子を起こしに来ているのかね、何とも言い表せない顔で俺を見る母がそこにいた。どの道いつの世もどの世界でも、女性の美に水を指すなどと言う、暴挙を起こせる訳が無いだ。
 それに問題が無い訳でもない、他人のためにまたウチのスープが何日も、食卓から消えるのは、はなはだ迷惑な話しだし、このためにウチの金属利用が鍋に限定されるなんて、あってはならない、俺も使いたいからなんて言わないよ・・・ホントダヨ。
「早く起きて、クリームを作るのよ、皆からも『いつ出来るの』って言われてるんだから」
 溜め込んだ仕事を持ってくる上司みたいだな、その前に相談なりしてくれれば良いのに、いまさら言っても始まらないか。
「すぐには無理だよ、皆さんには僕から説明するから連てって」
 なぜよと言われる前に説明は俺がすると言っておかねば、説教を喰らいそうな勢いだった。
 そうして、日中の洗濯に出かける母に同行して、川まで来た俺は大勢の女性陣に囲まれた、揉みくちゃにされクリームをと言われるこの光景は、子供の頃にホラー映画を見た時の事を思い起こさせる、今夜はオネショ確定かな?。
「ちょ、ちょっと、皆さんお静かに、シャラ~ップ」
 は~は~、以外にシャラップの反応が無い?異世界の言葉でも大丈夫なのかな?、そんな事どうでもいいか、それにそんなに揉みくちゃにされて、話が出来る訳が無いでしょ、子供をなんだと思ってるのかね。
 肉屋にレシピを渡せば良いって?安全が確保できていない物を商品にするのは・・・建て前。
 多分現金化できるので、儲けの種を渡すのはモッタイナイ・・・本音。

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