異世界生活物語

花屋の息子

ホウ=報告、レン=連絡、ソウ相談は大切です。

 ウチに帰ると昼食がテーブルに並んでいた、流石にこの短時間でスープは出来ていなかったが、カマドには鍋がかかっており、昼食の途中には供されそうだ。
「まだ出来て無いから、スープは後で出すわね」
「今日はミュールのスープにしたよ」
 ミュールとは山菜の時に話した甘いネギだ、砂糖の様な甘さでは無いがトロットロに煮たネギの甘みと同じ系統の甘みが特徴の山菜の一種になる。
 ネギ科独特の香りが無いので、匂いが駄目だと言う人には、こちらの方が食べやすいだろうな。
「さっきお前が話していたのは、どう育てるつもりだ?」
 じいちゃんが大丈夫なのかと、顔で語っているのはカイバクの鉢植えにする話だろう、鉢植えの概念が無いので庭で植えても育たないと、心配されているのかもしれない。
「油を入れた残りがあるから、あれを使おうかと思って」
「あの四角い小さな桶か」
「うん、マスって呼ぶ事にしたんだ」
 油入れとして作った枡は二合サイズの物だ、1本植えなら二合枡位のサイズがあるから、十分に育つだろうし実際に根を掘り出した訳では無いので、根が枡の中で回ってしまうかもと言う心配はあるが、大失敗にはならないだろう。
 一番の問題は枡の数が圧倒的に足りないので、それを作ら無くてはならない事だ、油用にとチョイチョイ作っていた枡は、全部で19個油入れとして15個それから骨ペーストが入ったものが3個残りは一つしかないのだ。のこぎりが無いので斧で割った木材から、鉈を使って板を削りだすのにも結構な時間が掛かってしまう、更にそこからナイフで継ぎ手を作るのだから、面倒くさい事この上ない。
 と言っても、斧を持つ事も出来ない俺としたら、木材を割る作業だけは、大人に頼らなくてはならないのだが。
「それでね、板が足りなくなるから、木を斧で割ってほしいの、お願いします」
 作業的には大分余裕があるのは確認済みだから、やってくれると思う。
「お前が作った道具で畑作業が楽になったからな、そのくらいは良いぞ、だがな、そう言う事は前もって話しておきなさい、もし忙しい時だったら手伝ってやれないのだからな」
 毎年の作業を把握していたから大丈夫だろうで、親父殿に話した事が裏目に出た感じだ、やっぱり大事だよな、ホウレンソウ・・・ちゃんとしよう。

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