異世界生活物語

花屋の息子

束子の考察、改良は必須

 何のハプニングも起こさない姉をともなって、食堂へと戻るといつもと変わらない料理が出迎えてくれた。
「リースあなたもいい加減一人で起きて来なさい」
「は~い」
 開口一番母のお小言が飛んだ、ちなみに今は大体6時少し前くらい、消して遅くは無い気がするのは、地球の記憶のせいなのだが。
 それでも、9時に寝て6時なら9時間も寝ている事になる、寝る子は育つと言っても寝すぎじゃないかね、お姉ちゃんやっぱり早起きしようよ。
「さて食べよう」
 父としたらそのうち何とかなるんじゃね、っと言った雰囲気で食事に手をつけ始めた、まあ見慣れた光景だからわからなくも無いが、嫁いでもこんなだったらいろいろマズイ気がする。
 ウェイン義兄さんこんな姉でが、よろしくお願いします、まだ十年近くありますけど。
 いつもの料理、いつもの味を楽しんだら作業を再開するとしよう。
「エドは今日も何か作るのか?」
「そうだよ、ママにお鍋返さないとスープが飲めないからね」
 それなりには心配してくれているのか、俺なら大丈夫だろうと思われているのか、今更ながら4歳児に一人で、火を扱わせるのはどうなのかとも思うが、まあ自由にやらせてもらってる方に感謝だな。
 三角ホーの一件以来、この区域での俺の評価はかなり高まっている、まあ出来る範囲ではみんなを助けられれば、転生した甲斐もあるってものだろう。
 朝食を取りを終えて納屋に戻ると、まだ冷め切らないのか油は透明な部分が多く残っていた。
「小骨の下処理を先にやっておくか」
 かすかに残った肉片と血を硬く結んだワラ束でふき取っていく。
「(タワシの原型、それも原始的バージョンみたいだな)」
 タワシほどは綺麗にできないのだが、それは形状に原因があった、丸めていないのだ、ただワラを加工した時に出たクズを、結んで使っている。
 これでは力が入れにくい、俺自体もこのタワシを使うことは無かったので、気にも留めていなかったのだが、ここまで使いにくいとは思わなかった。
「(父さんが帰ってきたら、これも改良してもらおう)」
 改良と言っても、小学校の頃に民族資料室で見た、このタワシの発展型切りそろえたら二つ折りにして結ぶだけのもの、それでも先人の知恵タワシの発明以前は使っていたのだから、今のものに比べたらかなり使いやすくはなるだろう。
 そんな事を思いながらせっせと、小骨を拭き取っていくと1キロの骨は綺麗になった、ワラを束ねただけの物で、手羽先の骨と大差ないサイズの小骨の処理は、何とも無駄な動きが多い。
 油もいつの間にか透明なところが消えて、白く固まって触ってみると温い感じが残ってる、次も痞えているので、さっさと木箱に油をすくっていく、綺麗な純白の油を見ていると少し感動する。
 油はうまく行ったが、骨はどうなるかな?うまく行ってくれると良いけど。

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