異世界生活物語

花屋の息子

燃芯製作、油はどうした

 魔獣の脂身は肉屋で解体されたときに、そのほとんどが廃棄される、今回のロウソク時計はその廃棄物利用と言う訳だ、もちろんたいまつ用などのために、抽出された獣脂としてであれば販売されているのだが、抽出と言っても火にかけ溶け出た物が獣脂なのだから、脂身を貰って来る方が4歳児の懐事情にあっている。
 脂身を貰いに行く前に納屋の方の準備を済ませるとしよう、工具入れ代わりになっている古びた鍋、三角ホー製作のアイディア料代わりとして、恩恵を受けたおっちゃんズに俺の遠征中に作ってもらった、即席カマドと丸太1本分にもなる大量の木の板、その板から試作した縦長の枡【非公開】これだけ揃っていれば、準備に抜かりは無いだろう。
「ママお肉屋さんに行こ~」
「お掃除終わったら行くから待っててね」
 思わぬ盲点だった、現代の農家よりこの世界の農家ってか農家ばっかりなんだけどは、汚れるレベルが三段階ほど違う、服などは高価なものとしての位置付けを崩していない、当然昼にシャワーとかはありえないので、家の中はどうしても汚れていってしまう、そのため毎日の掃除が欠かせないのだ。
 軽く一時間くらいいつも掛かっているため、その間時間が空いてしまった、まあ俺にとっても都合が良かった、材料の中でまだ用意していなかった物、それもかなり重要な材料の準備が出来ていなかったからだ、それは燃芯、油の中につけて火をつける灯明としては、最も重要な物がまだ用意していなかったからだ。
 ガソリンなどを除けば大概の油は、火を近づけたとしても燃える事は無い、それは油自体が燃えているのではなく、蒸発した油に火が付いているからだ、液体の油ではその蒸発が弱いため火が着き辛い、その解決策が芯でまあこれが無いと灯明として成り立たないのだ。
 この芯の材料は服や布などの原料として使われる草の繊維の糸が一般的だ、綿のような手触り亜麻のような形状をした、この草の表皮から取れる繊維を利用している。
 どこにでも生えているので、栽培とは無縁の有用植物なのはありがたい限りだ、逆を言えば換金作物で無いので、繊維産業の振興には、紡績機なんかを作らないといけないので、俺の知識ではつたない部分が多いのが問題だ。
 そんな事をため息をつきながら、数本の繊維をよりをかけて糸にする、それを十本も束ねれば芯の完成だ、いくつ使うかは解らないが一時間近くも暇な時間があるのだ、有っても邪魔になる事は無い、それどころかこれからは、いくつも使う事になるのだから、ここは作れるだけ作っておこう。
 そうして出来るは出来る、使う時には切れば良いので繊維の長さのままで50cm、作ったものが20本我ながら会心の出来だ、これでしばらくは燃芯に困る事は無くなった。

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