異世界生活物語

花屋の息子

お土産も確保した

 結局は地道に上げるしかないと、曾祖母の話を納得するしかなかった訳だが、魔力不足の解決案としたら、まあまあのモノが手に入ったと言ったところだろうか、あくまで親たちが標準な世界にあって、四歳児から十数年後の大人になるまで人の二三十倍の魔力を身に着ければ、間違いなく相当な魔力保有者になれるだろう、今は我慢の時とあきらめるしかないが、今に見ていろよ転移魔法いつか使いこなしてくれるわ。
 そんな決意が顔に出ていたのだろう、まさかのツッコミを入れられてしまった。
「人は無理でもぉ~、小さい物くらいはあなたでも飛ばせるわよぉ~」
 そう言いながらいつの間にか手に持っていた、拳より大きめの石をかき消した、その次に聞こえたのが、ヒューと風を切り何かが落下する音と、茂みの後ろからバサッと何かが倒れる音であった。
「なっ、ええっ、は?」
「当たったわねぇ~」
 何が起きたかは理解が出来なかった、音のした茂みに恐る恐る近いて初めて何が起きたのかが解った、そこに倒れていたのは、鉄の爪でも付けたかのような長く鋭い爪を持った、それでいて体格の悪い小型の狼であった、クローズウルフというのが本当の名だ、前足の爪で獲物をボコボコに痛めつけて、動けなくなった所を狩る、その為か牙は犬よりも退化して人の犬歯程度の物が並ぶ程度、噛んで引きちぎる狼と比べても、歯で抑えて前足で引ききちぎるクローズウルフとでは、牙と爪が真逆の役割を果たしている、そのクローズウルフが、赤い泡を吹き茂みの中で息絶えていた。
 側には先ほど曾祖母の掌から消えた石が、赤く染まりながら転がっている、移動魔法をそのまま物理攻撃に応用した格好の使い方に感心してしまった。
「殺気出しながらこっちを伺っていたからぁ~、あなたを食べようとしていたのよねぇ~」
 魔素吸収の間意識は完全にそっちに持ってかれていたから、そんな状態で襲われたら食べられるまで、何が起ったのか解らなかったかもしれない、曾祖母の護衛が無かったらと思うとゾッとする。
「エリザさん魔素吸収も出来たし帰りませんか?」
 やる事はやった、魔素吸収もストック分の回収も、ことさら今になっては命も危ない、現状やる事が無ければ、ここに留まるなど危険な行為でしかないのだ。
「そうねぇ~収魔石の忘れ物は大丈夫~?」
「はいちゃんと拾ってきました、この狼どうしますか?」
「持って帰ればウチの人が解体すると思うからぁ~、口に付いた血だけ拭いてくれるぅ~」
 まあたいした量は出ているわけでも無いが、それでもね。
 一応綺麗にしたクローズウルフをお土産に、この地を離れるのだった。

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