異世界生活物語

花屋の息子

父たちの奮闘、改良型三角ホーが出来た

蟻の角と言うのは触角の事だろう、髪の毛の拡大映像で見る痛んだキューティクルと自転車のチェーンを足して割ったのような形をした触角は、蟻素材と言う事もあってそれなりに硬度もあり、ただ使い道が無いため廃棄されていた物らしい、モッタイナイ精神はこの世界でもかなりの人の中に有って、ただ廃棄されるものも何かに使え無いかなと、考えてはいたが良いアイディア浮かばないで、やむなく廃棄されていると言うのが現状であるようだ、そんな折俺が発明した三角ホー、しかし刃に問題があるということでその二つが、見ていた男の中で結びついた、ヘタレ野郎のボハンスの父ジョイルの中で。
「そ、それいけるかもしれない、おじちゃんいけるよ」
「そ、そうか」
俺のテンションに、若干引き気味になりながらもそう返してくれた。
「パパ、刃を削って溝を掘ったところに削った蟻の角をはめたら、金を使わなくても堅い刃が付けられるよ」
形状としてはチェーンソーを思い浮かべると、想像しやすいかもしれない、軍団蟻の触角は横方向には柔軟に稼働する、なので先端でターンさせて固定すれば金属ほどで無くとも立派な刃の完成となるのだ。
「それじゃ一端ウチに戻って角付けて来るか、みんな悪いが解散してくれ」
父の言葉にパラパラと帰っていく人たち、その中の2人が父に声をかけてきた。
「グラハム、その作業俺たちにも見せてくれねぇか」
「それはかまわないが、良いのか?」
良いのか?とは畑仕事の事だろう、父たちは息子のお遊びに付き合っても、自分の家のことで作業工程的にもさほど問題ではないので良いが、他人まで息子のお遊びに巻き込む事には少し気の引ける部分があったからの疑問だったのだ。
「ああ少し見せてもらったが、これはすごい、もし刃が付いて良ければウチも作りたいところだ」
「今までは取れる大きさまで放っておいたがこれがあれば小さいうちに草が取れるってことだろう、それに立ったまま、近頃ウチの爺さんが腰が痛てぇって、言ってたしこれなら使えそうだ」
「エド坊、お前さんの発明は大したもんだ」
確かに草取りは大変なのだ、トラクターどころか鋤引きすらしていない畑は現代のものより硬い、そこに強固に生える異世界雑草が根を張るのだ、小さいうちでは取るにとれず、大きくなれば抜き辛らいまさに大敵と言うほか無い、成育も早いしな。
ウチの納屋での三角ホー改修作業が始まった、畑に出てまだ30分程度しか立っていないのに、もう改修が必要になるなんて俺の中では大分不覚を取った感じだ、もっと魔物素材とかまで考えていれば、気付けたかもしれない事を、人に指摘されての改修となったのだ反省点しかない。
「ジョイル悪いが角を削ってくれるか」
父もただ見ているだけの二人にも手伝ってもらう作戦みたいだ、余計な指示をしなくても普段から道具作りをしている大人たちの中には、設計図が出来上がっているような作業スピードでテキパキとこなしている。
ここまで来ると俺などいなくての良さそうなので、弟の世話でもしてくるとしますか。
「ハイルおにーたんでちゅよ~」
まだ一歳にならないので最初の俺と同じで、う~あ~しか言えないがそれもかわいいのだ、この笑顔を見てるだけで癒される、お尻に手を当てるがオムツも以上無しで交換がされたいるようだった。
「ハイルのお尻は綺麗綺麗でしゅね~」
キャキャと意味も解らず喜ぶハイルが、これまた俺の時のような騒音に悩まされないように、生まれる前に騒音の原因となっていた扉には肉屋でタダで貰えた獣脂をたっぷりと塗って音がしないように改良しておいた、お陰で開閉の時にしていたギーギー音はほぼしなくなっており、入るの耳にやさしい仕様となったはずだ。
赤ちゃんの仕事は寝る事なんて言うが、もうまぶたが下がり始めてウトウトとしている、オムツの以上も無かった事だし、ゆっくりと寝かせてあげるためにもここは退散だ。
納屋に戻ると、本体の加工は終わって触角の加工のみとなっていた、しかしこれがまた時間の掛かる作業なのだ、触角と言ってもそれなりの硬度のあるものをヤスリ無しで、砥石のみで削りだしていくのだから。
触角はショートソードを使って一度反割りにされそれを、矢印を半分にしたような形にしていく10円玉ほどもある触角だが砥石加工するには大分小さい物だ、三角ホーの前にヤスリを作った方が良かったかもしれない、今度作った上げるから今日は頑張って。
交代での昼を挟み、夕方までかかってようやく全工程が完了となった、完成したそれは明日の朝から試されるらしい、父たちが嬉々として子供のような笑顔で完成を喜んでいたから、俺も何だかうれしくなった。
これが異世界において雑草対策の有効手段となってくれることを切に願うものだ。











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