異世界生活物語

花屋の息子

私はどこ、ここは誰

朝起きるとそこにあったのは。
「だ~う~う~あ?(知らない天井だ多分?)」
有名なロボット漫画の主人公が発し、後世に異世界転移小説に出て、再度一世を風靡した言葉を思い浮かべてしまう、天井だけではないそもそもこの部屋を知らない、自分の部屋は白の壁紙が張ってあったはず、今見えるのは茶色だ、それに目もぼんやり色の判別がつく程度しか見えていない。
目を擦ろうにも腕が上がらない、声を出せば「う~あ~」とうめき声になってしまう、一体俺はどうしたって言うんだ。
昨日の夜は酒も飲んでいない、酔って車に轢かれた何て落ちは無いだろう、鎮痛剤が効いているとしても、体がめちゃくちゃ重いだけで痛みがないのは不可解だ。
それにしてもうめき声も、妙に高かった用な気がする、低い声と言われるくらいには、低音ボイスだったはずなのに。
頭の中は混乱の渦に飲み込まれたと言えるくらい、混乱していた、諮問自答をどれほど繰り返したのだろう、下腹部に暖かい物を感じた。
お漏らしと言うやつだ、ガマンなど思う前にノンストップで出てしまう、何とも言えない情けなさになけてくる。
「ええ~んええ~ん(俺はいったいどうしたって言うんだ~)」
「オンギャーオンギャー(どうした俺なぜ言葉が出ない)」
オギャー?絶叫したつもりが、赤ちゃんの鳴き声に成ってしまった、どうやっても声が出せない、そうして何度かわめいていると、エコーが掛かったギーと言う木か擦れる音が聞こえた、中々に不愉快な音だ。
「オギャーオギャー(うるせ~拷問か?)」
その音と共に人のようなシルエットが入ってきた、目がぼやけている為シルエットくらいしか解らないが多分人だろう。
「アウ~ダア~アウ~ア~(誰だ、目が見えなくて誰だか解らないんだ)」
入ってきた人のようなシルエットが何か言ってるようだが、全く聞き取れない、外国語にエコーが掛かった感じで、何語か判別できない。
その人物はテキパキと俺の足を持ち上げ、履いていた物を交換してまた何か言うと出て行った。
「あう~う~だ~?(ちょっと待て、俺の腰まで軽々上げてたぞ?)」
化け物じみたその力に戦慄を覚えた、仮にも成人男性の腰をひょいと持ち上げるなど、誰にでも出来ると言う物でも無いからだ。
「だあ~う~あ~?(近頃の看護師さんは、合気道か何かのマスターでいらしゃいますか?)」
そんな事はありえないと解りつつも、そう考えてしまう78㎏はあるのだから。
「あうあう~あ~(にしても腹減ったな、そろそろ朝飯になんね~かな)」
腹が減るから余計な事を考えてしまうのだ、空腹は罪悪だ・・・などと哲学的に考えても、腹は膨れない。
「けへっえ~~~ん(看護師さん~朝ごはんまだですか?)」
まだおじいちゃんではないのだ、さっき食べたでしょなどとは言わせないぞ。
そう思っていると、先ほどの騒音拷問がまたやってきた。
「オギャーオギャー(ナマ言ってすいません、その音は勘弁して下さい)」
シルエットは俺を抱き上げると、柔らかい物を口に当ててきた、懐かしさを感じる甘いミルクの香り、本能に逆らえない多分これは授乳だろう、もう転生ってやつじゃないのか、声が赤ちゃんの鳴き声だし、上げられる訳も無い体重を持ち上げるし、今またおっぱいの香りに逆らえない。
認めたくないがどう考えても今のこの状況は、赤ちゃんに転生したのだろう、お腹が空けばおっぱいに吸いつき、排泄は自分の意思とは関係なく出てしまう、声はアウアウ語か泣き声に変換される、これを赤ちゃんと言わない理由が見当たらない。



















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