無い無い尽くしの異世界生活

花屋の息子

初めての魔法使い

 結果1分使って、1分の休憩で済んだ。
それでも、ものの1分しか持たなて灯りなんてエジソンに怒られるぞ。
 魔法を使うには想像力も必要だとか言っていたが、う~ん取りあえずこの世界にある光なんて物は、太陽の光と火系の光くらいだろう、実際に母も太陽と火を呪文の中に読み込んでいた事だし、出現した魔法も太陽の光輪の中に、火が揺らめく感じをイメージしたと思うモノだった。
 太陽光のエネルギーを、たとえ小さくても再現?させている訳だから、魔力消費も甚大な物なんだろうな、光だけですよね放射線とか紫外線なんて、マジ勘弁ですよ。
 この世界では当然見た事が無いから、再現出来るかどうか解からないけどLEDが再現出来ないかな?、蛍の光みたいな冷光の強化番みたいな感じで行けないかな?、こちらも見た事は無いが、あれならエネルギー変換効率が高かったはずだから、それを再現できれば無駄な魔力消費でへばる事も無いと思うし。


「さあ今度はエドがやってみましょう♪。お日様の光を思い浮かべて、それを唱えるのよ、そうすれば成功するはずだわ♪」


 中々の無茶振りだ。子供の魔力で太陽光は燃費が悪すぎる。
 それでもやり方は理解できた、いきなりLEDとかやったらあれだから、ウチで使っている灯明の火をイメージして、エネルギー効率と魔力の消費を考えながら、少しずつ移行していく事にしよう。
 それにしても呪文が簡単なのは助かる、前世のファンタジー理解力の賜物で、一見しただけだが再現できそうだ。
 まあ一発OKも味気ないから、おふざけおふざけ。
「火よ、灯りをともせ」
 イメージ無しでは、・・・失敗。まあ当然だな。


「やっぱり早かったかね」
「そうですね、しっかりしてるとは言っても四歳だと、まだ認識力が足りないかもしれませんね」


 空かさず母や祖母にディスられたが、イメージ無しでやったんだから失敗は想定の範囲内なんだよ。
 今度は、しっかり灯明をイメージして脳内に思い浮かべて、ついでに子供らしくお願い調にしたよ「お皿の火、明るくして」ってね。
 今度は俺の前に、チロチロと燃える小さな灯りが出現した。


「う、そ!、二回目で出来るなんてすごいわ~、魔力は大丈夫?無理しちゃダメよ」


1分程で軽い疲労感があったので、力を抜くと明かりも消えた。
うん、総魔力量と体力が足りないんだろうな。


「大丈夫かい?」
「うん畑までダーって走ったくらい」
「エドすごいわ、最初の日からこんなにちゃんと魔法を使えるなんて、ママ感激よ」
「よく考えたね。大体初めのうちは、大きい火をイメージするから出来ないもんなんだよ」


 この辺りはイメージ力の訓練もあるのかな?、大人も細かく教えない、子供は派手好きだから、灯明みたいに地味な火はイメージしない、だから失敗するのだ。
 やはり大きい物の方が効率は悪いみたいで、何度も失敗させて、最後に灯明をイメージするように促す、それが普通らしい。


「どうして、二回目は小さい火をイメージしたんだい?」
「おばあちゃんも、カマドに火を付ける時、ちょっとしか魔法使ってなかったでしょ?だから一番小さくしたら出来ないかな~って思ったの」
「そうだね、あのくらいなら私達はどうと言う事はないけど、エドワードの体力だと無理があるね」


 やっぱりか、まあ着火サイズだとしても、大きな火をイメージしたら完全に魔力も足りないしどうしたモノか、熱放射光に関しては無駄な熱やら非効率な再現に、魔力を無駄遣いして体力を使い果たす感じだが、単純に光だけなら解決案があるから良いが、火とかに関しては、魔素を分離でも出来れば酸素燃焼の魔法版が出来るかもだが、案がある訳でもないし手詰まりかも。
 肉体強化は、全く効率化出来る気がしない、肉体強化は筋トレから見たいな、前世の記憶が余計邪魔をしてる感じがするのだ。
 回復だけは元々効率が良い、と言っても損傷率に寄ってはだが、元の状態に戻すのだから骨折やら大きな傷の治療は医療知識の無いこの世界では出来ない、あくまで外傷治療を主体にしていて、内臓系のダメージは回復できないトホホ魔法だよ。
 息も整ったところで再度挑戦だ、今度はチートで行かして貰うよ、火を使わない、電球ローソクをイメージして、出来そうならもう少し長くやってみよう。
「火よ明るくして」と唱えるが、その火は揺らめきの無いローソクの火、まあこの世界の人は見た事の無いものだが、そこまで疑われるほどの違和感は無いはずだから大丈夫だろう、魔力もさっきより少なくて行けそうだ。
 ちなみにこちらの世界に来てから月を見ていない、多分存在しないのだろう、太陽光の反射だったと記憶しているが、あれならこちらの世界の人でも、エネルギー効率良いのに残念だよ。
 だいたい発動から2分ほどで、灯明と同じ疲労感に達した。


「さっきより長かったけど、大丈夫なの?」


 母の心配を他所に、効率のせいで体への反動は大した事が無い、保育園児の体力でも100mくらい走った程度で倒れるなんて事は無いのだ。


「なんだろう、さっきより楽だった~」


 ええ、すっとぼけました、「イメージ力がハンパないんで」、とは言えないからね。

コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品