無い無い尽くしの異世界生活
「いっせーのーせ」とキラキラとした石
姉で実験した後の雨季の晴れ間、友人の家を回り新しい遊びを考えた事を伝えた。
雲の流れも穏やかな日なので、集会所の前庭に、他の子を誘ってきて貰うように頼んで、俺も他を回って結局ウチの周辺に住む子供は・・・結局全員集まりましたとさ。
「うぉふぉん。えー本日は~、新作発表会にお集まり頂きありがとうございます。開発者のエドワードと申します、え~本日はお日柄も良く・・・」
「何言ってんだよ、早く教えろよ」
「エド何言ってるか、わかんない~」
カギんちょ共がガヤガヤしてしまった。前置きは仕様だろ、この世界に学校でもあれば、校長の長話に耐性付くんだろうけど、無いものだから余計にがやつく。
「ちったー、前置きくらいさせろ。今日やるのは、いっせーのーせだ」
「なんだそれ~」
「説明するから待て。少し待て。やり方は二人で親指上にして拳を合わせる、「いっせーのー」、って言ったら数を言いながら親指を立てる、言った数と親指の本数が同じなら片方の拳を下げて、両手が下がれば勝ち、残った数より上を言ったら反則、ルールはこれだけ簡単だろ」
みんなの顔を見ると、???と理解できていなさそうなので、取り合えず近くに居たリアム君4歳に、俺の相手をしてもらう事にした。
「最初は、ゆっくり説明しながら、これをやっていくからな」
「エド、早くっ早く~」
おう。コイツ早速説明を端折って聞いてやがったな、拳を横にしてパンチを突き出しているのを見ると、ため息混じりに1から直しながらになる事を覚悟してしまった。
「そうじゃない、親指が上になるように、そう、両方の拳を合わせて、じゃあ行くぞ。俺がいっせーのーで2って言うから、「で」、って言ったと同時に親指を二本上げてくれ」
「わかった」
「じゃ行くぞ、いっせーのーで2」
俺は一本だけ上げる、リアムはと言えば、きちんと言われたタイミングで、きちんと両方の親指を上げてくれた事に、マジでホッとした。
これで上げないとかじゃ、もう目も当てられないからな。
「これをターンって言う事にしよう、で次はリアムのターンだよ、今度はさっき俺がやったみたいに、いっせーのーでの後に無しから4までの数を言ってくれ」
「いっくぞ~、いっせーのーで4」
「このターンはリアムの勝ちだから、片方下ろして」
「よっしゃ、勝った~」
俺の指は2本、リアムも2本上げたので、リアムの勝ちだ。
わ~いわ~いと万歳ポーズで、はしゃぐリアムの姿を見て外周に集まった子供たちも、ウズウズやりたそうに見ている。
リアムに片手を出させて、今度は反則をしよう。
「リアムまだ終わってないぞ、次は俺のターンだ。片手を出してくれ。俺は次のターンに反則するからな」
「なんだよそれ、ズルか?」
「違う違う、言っただろ説明しながらやるって、だから反則の説明もしないと遊べないだろ、今リアムが1本上げられる俺は2本だ、二人足しても3にしかならないから、これで4って言うとそれが反則になるんだ。良いかやってみるぞ。いっせーのーで4」
「これはどうなるんだ?」
「反則した時は、相手が片手を下ろす。今回はリアムが片手だから、これで両手が下ろせるからリアムが勝ちだ。何となくでもわかったら、みんなも隣の人とやってみてくれ」
俺のゴーサインを出すと、二人一組になって「いっせーのーせ」を始めた。
最初こそ探り探りだったが、一時間もやっているとだんだん慣れてきて、無しのフェイントを掛けてくる者も出始めたので、こうなれば後は勝手に楽しんで貰えるだろう。
そして「いっせーのせ」は、一月もしない間に子供たちに大流行した。
まあ二人居れば遊べるしルールも簡単なのだから、娯楽が少ないので新しい娯楽が入れは一気に広がっていく。
一つ想定外だったのは、賭博性が無いと思っていたが、俺の想に反して対戦者同士での、賭けが行われ始めた事だった。
と言っても金銭が掛けられるのでは無く、子供の間では「キラキラ石」と呼ばれる、東の草原に沢山落ちている小石がチップになっていたのだ。
中でも隣の家に住むリードは結構強くて、腰につけた巾着状の袋には、キラキラ石がジャラジャラと入っていて、何度か俺にも勝負を挑んできたがギリの勝負で、7:3と今は何とか勝ち越してはいるが、来月には逆転されるかもしれない。
リードは大量にキラキラ石を持ち歩いて、常にその強さを自慢している、俺には結構負けているくせに。
小さい子に限らず姉経由で年上にも広がり、町全体に新たな遊びが広がった。
さてこのキラキラ石、東の草原に行けば採取可能なのだが、草原には危険はほぼないが、とは言っても魔物が出るため大人と山菜摘みに行く時にしか拾ってこれない、それでも野菜感覚で採取には行くのだから、そんなには間を置かずに採って来れるのだが、中には山菜そっちのけでキラキラ石拾いだけをして、親達に怒られるヤツも居るとか居ないとか。
しかし極めつけは、男連中が酒の席で「いっせーのーせ」をやっている話を聞いた事だろう。
泥酔するまで飲む事はないが、一勝で一杯おごれとかをやっているらしい。何やってんだか?
大した賭博にはならないから放っておいても、破産する訳じゃないし娯楽の少しくらいは許容範囲だろう。
ちなみにおれはリードよりも、大量のキラキラ石を持ち歩き、絶対王者として君臨しているよ、年季が違うんだよ⤴
雲の流れも穏やかな日なので、集会所の前庭に、他の子を誘ってきて貰うように頼んで、俺も他を回って結局ウチの周辺に住む子供は・・・結局全員集まりましたとさ。
「うぉふぉん。えー本日は~、新作発表会にお集まり頂きありがとうございます。開発者のエドワードと申します、え~本日はお日柄も良く・・・」
「何言ってんだよ、早く教えろよ」
「エド何言ってるか、わかんない~」
カギんちょ共がガヤガヤしてしまった。前置きは仕様だろ、この世界に学校でもあれば、校長の長話に耐性付くんだろうけど、無いものだから余計にがやつく。
「ちったー、前置きくらいさせろ。今日やるのは、いっせーのーせだ」
「なんだそれ~」
「説明するから待て。少し待て。やり方は二人で親指上にして拳を合わせる、「いっせーのー」、って言ったら数を言いながら親指を立てる、言った数と親指の本数が同じなら片方の拳を下げて、両手が下がれば勝ち、残った数より上を言ったら反則、ルールはこれだけ簡単だろ」
みんなの顔を見ると、???と理解できていなさそうなので、取り合えず近くに居たリアム君4歳に、俺の相手をしてもらう事にした。
「最初は、ゆっくり説明しながら、これをやっていくからな」
「エド、早くっ早く~」
おう。コイツ早速説明を端折って聞いてやがったな、拳を横にしてパンチを突き出しているのを見ると、ため息混じりに1から直しながらになる事を覚悟してしまった。
「そうじゃない、親指が上になるように、そう、両方の拳を合わせて、じゃあ行くぞ。俺がいっせーのーで2って言うから、「で」、って言ったと同時に親指を二本上げてくれ」
「わかった」
「じゃ行くぞ、いっせーのーで2」
俺は一本だけ上げる、リアムはと言えば、きちんと言われたタイミングで、きちんと両方の親指を上げてくれた事に、マジでホッとした。
これで上げないとかじゃ、もう目も当てられないからな。
「これをターンって言う事にしよう、で次はリアムのターンだよ、今度はさっき俺がやったみたいに、いっせーのーでの後に無しから4までの数を言ってくれ」
「いっくぞ~、いっせーのーで4」
「このターンはリアムの勝ちだから、片方下ろして」
「よっしゃ、勝った~」
俺の指は2本、リアムも2本上げたので、リアムの勝ちだ。
わ~いわ~いと万歳ポーズで、はしゃぐリアムの姿を見て外周に集まった子供たちも、ウズウズやりたそうに見ている。
リアムに片手を出させて、今度は反則をしよう。
「リアムまだ終わってないぞ、次は俺のターンだ。片手を出してくれ。俺は次のターンに反則するからな」
「なんだよそれ、ズルか?」
「違う違う、言っただろ説明しながらやるって、だから反則の説明もしないと遊べないだろ、今リアムが1本上げられる俺は2本だ、二人足しても3にしかならないから、これで4って言うとそれが反則になるんだ。良いかやってみるぞ。いっせーのーで4」
「これはどうなるんだ?」
「反則した時は、相手が片手を下ろす。今回はリアムが片手だから、これで両手が下ろせるからリアムが勝ちだ。何となくでもわかったら、みんなも隣の人とやってみてくれ」
俺のゴーサインを出すと、二人一組になって「いっせーのーせ」を始めた。
最初こそ探り探りだったが、一時間もやっているとだんだん慣れてきて、無しのフェイントを掛けてくる者も出始めたので、こうなれば後は勝手に楽しんで貰えるだろう。
そして「いっせーのせ」は、一月もしない間に子供たちに大流行した。
まあ二人居れば遊べるしルールも簡単なのだから、娯楽が少ないので新しい娯楽が入れは一気に広がっていく。
一つ想定外だったのは、賭博性が無いと思っていたが、俺の想に反して対戦者同士での、賭けが行われ始めた事だった。
と言っても金銭が掛けられるのでは無く、子供の間では「キラキラ石」と呼ばれる、東の草原に沢山落ちている小石がチップになっていたのだ。
中でも隣の家に住むリードは結構強くて、腰につけた巾着状の袋には、キラキラ石がジャラジャラと入っていて、何度か俺にも勝負を挑んできたがギリの勝負で、7:3と今は何とか勝ち越してはいるが、来月には逆転されるかもしれない。
リードは大量にキラキラ石を持ち歩いて、常にその強さを自慢している、俺には結構負けているくせに。
小さい子に限らず姉経由で年上にも広がり、町全体に新たな遊びが広がった。
さてこのキラキラ石、東の草原に行けば採取可能なのだが、草原には危険はほぼないが、とは言っても魔物が出るため大人と山菜摘みに行く時にしか拾ってこれない、それでも野菜感覚で採取には行くのだから、そんなには間を置かずに採って来れるのだが、中には山菜そっちのけでキラキラ石拾いだけをして、親達に怒られるヤツも居るとか居ないとか。
しかし極めつけは、男連中が酒の席で「いっせーのーせ」をやっている話を聞いた事だろう。
泥酔するまで飲む事はないが、一勝で一杯おごれとかをやっているらしい。何やってんだか?
大した賭博にはならないから放っておいても、破産する訳じゃないし娯楽の少しくらいは許容範囲だろう。
ちなみにおれはリードよりも、大量のキラキラ石を持ち歩き、絶対王者として君臨しているよ、年季が違うんだよ⤴
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