高校生の平凡な日常

ノベルバユーザー86613

不快感

時は朝の7時半。彼は困っていた。
自転車がパンクしたらしい。
彼の通う学校は家から自転車を用いても20分かかるところに位置しており、徒歩でも行けないわけではないが如何せん遠い。
母に送迎してもらおうと試みたが夜勤明けでお疲れのようだったので断念。
2駅の距離ではあるが電車を利用することにした。短い距離とはいえども、往復500円近くかかるのは自明。その無駄な出費に落胆しつつ彼は電車に乗った。
不幸は連続する。これは夜の摂理なのか。
彼が乗った次の駅、つまり学校の1つ手前の駅で事件が起こった。痴漢が現れたのだ。
痴漢は30代くらいの長身の痩せた男だった。周りをキョロキョロ気にして不自然な挙動をしているのは彼も認知していた。
被害者となったのは高校生。細身で黒縁のメガネをかけた......男性。つまり彼であった。最初は車両の揺れによる不可抗力であたってしまったのかと思った。しかし、それは2度3度と繰り返されとどまるところを知らない。男は執拗に彼の下半身における隆起したモノを制服の上からひたすら撫で続けた。慣れているのだろうか。気持ちが良いとは一瞬思ったが後から不快感が大いに勝った。事件にしても良かったが、目立つことが嫌だったので次の駅で即座に降り、痴漢の件は忘れることにした。
...つもりだったが不快感は丸一日彼に襲いかかり、頭の中を支配した。当然授業に集中出来るはずもなかった。
放課後。夕焼けが前方から彼を照らす。
最悪な一日だ。彼はやり場のない感情を吐き捨てた。






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