高校生の平凡な日常

ノベルバユーザー86613

雨降りの午後

昼休み。彼は図書館の窓側の席に腰掛けて西洋文学を読んでいた。
今日は1日中晴れの予報であったが、空はご機嫌斜めの様子。彼の耳にはしとしとと降る雨の音とたまにページを繰る音のみが聞こえていた。
15分後。
校内放送で購買部の新商品の紹介が行われた。心底どうでもいい情報だと彼は思いつつも抹茶味のシュークリームを食べたいと思う心もあった。
30分後。物語は一番盛り上がる場所であったが読書を中断せざるを得なくなった。
昼休み終了5分前の鐘がなったからだ。
その事に内心では舌打ちしつつ教室へ向かった。
放課後。彼は昼休みに紹介されていた抹茶シュークリームが食べたくなり購買部へ向かった。購入後食べれるスペースを探すも、いつまでもテーブルを占領し大勢でソーシャルゲームを続ける者や昼寝をする者がおり、結局空いている席を見つけることは出来なかった。
その後彼は学校を出て自転車を走らせた。行き先は少し遠い公園である。こんな天気の中遊ぶ者は当然おらず、公園には彼一人しかいなかった。
傘を雨避けに使い教科書類が入ったバッグを保護する。律儀にも彼はカッパを装着しており自身の濡れる心配はなかった。そこで先程のシュークリームを取り出しかぶりついた。口の中に甘さと苦さが同時に広がる。そういえば、シュークリームを英語にすると靴のクリームとなるのだろうか。心の中にそんな思考が突然に浮かび上がった。そのせいで途中からはおいしいと感じることができなかった。折角のスイーツを無駄にしたかもしれない。彼は思った。
それから少しの間ぼうっとしていた。時間にして30分のことであったが、もっと長かったような気も短かったような気もした。その間にいつの間にか空は機嫌が良くなったようだ。太陽の眩しい日差しが彼を照らす。暑い。彼は着ていたかっぱを脱ぎ自転車の前籠に押し込んだ。さあ帰ろう。
彼は自転車に跨り漕ぎ出した。
~完~

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