《ハーレム》か《富と名声》か。あの日、超一流の英雄王志願者パーティーを抜けた俺の判断は間違っていなかったと信じたい。

しみずん

3 決断の時

 突如告げられる別れ。

「え……」

「それはいったい……」

「お前達は今日まで本当によくやってくれた、感謝している。だが、これからの旅にお前達では力不足なんだ、だからーー」

「分かりました。もう結構です。行きましょう、チキ」

「えっ……う、うん」

 別れを告げられた二人は明らかな動揺を隠せずに俺達に背を向け、足早に歩き出す。

「シリウス……お前……」

「カミュお前なら分かってくれるだろ? ここで優秀なエルフを仲間に加えれば俺達のパーティーはもっと強くなれる。と、もういいぞ! 来てくれ」

 シリウスがそういうと、近くに隠れていた男二人が近寄って来た。

「フィンとリーフだ」

 シリウスに紹介された男達は、どちらも緑髪金眼の純粋なエルフ族の特徴を持った二人だった。

 フィンは背が高く、リーフは小さい。年は俺やシリウスと同じくらいだろうか。

 手に杖を持っているところから二人共恐らく黒魔導師と白魔導師あたりだろう。

 まあ、黒魔導師のアイラ、白魔導師のチキをパーティーから追い出したんだから、補充するメンバーのジョブも当然そうなるんだろう。

 という事はシリウス、俺、フィン、リーフの男四人パーティーになるのか。

 俺は去っていくアイラとチキの後ろ姿をぼんやりと眺めながら、複雑な心境のまま何やら心の中で葛藤が起こっている事に気付いた。

 俺はシリウスを正面にとらえて真っ直ぐに見つめる。

 相変わらずの整った顔立ち、男の俺から見ても素直にカッコいいと思ってしまう。

 そして心の葛藤は、とある一つの結論を出して収束したようだった。

「なぁカミュ、俺だって別れるのは辛いさ、だがさっきも言ったがーー」

「シリウス!」

 俺は言う。正直な気持ちを正直に伝える。


「俺もーーーーパーティーを抜ける」





「《ハーレム》か《富と名声》か。あの日、超一流の英雄王志願者パーティーを抜けた俺の判断は間違っていなかったと信じたい。」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く