悪い魔法使い(姫)~身の程知らずのお姫様が、ダークヒーローを目指すとほざいています~
R39,忍者=ござる口調とは限らない(でござる)
ナスタチウム王国のどこかにあると言われている『忍の里』。
そこには普通の忍者を始め、デビル忍者やトゥルー忍者などの各種忍者たちが割とのんびり暮らしている。
特産物はうずまき状のメンマ。
「普通の忍者ってなんだよ!」
ガイアの叫びに応える者はいない。
現在、ガイアは忍の里の客間(と言う貼り紙を急拵えで貼っただけの地下牢)に閉じ込められている。
何故ガイアが幽閉されているか端的に説明するなら、この一文でこと足りる。
カゲロウが阿呆だったせいだ。
どうやら、部外者を里の上層部の許可無しに里に入れるのは、御法度だったらしい。
カゲロウは「あ、忘れてた」とのこと。阿呆丸出しである。遺憾なく出し過ぎである。
と言う訳で、許可が降りるまでガイアはこの客間(地下牢)に放り込まれることになった。
「くそ……なんて日だ!」
あのブーシュとか言うアーリマンに殺されかけたと思ったら、忍者に拉致られ、忍の里で牢屋にブチ込まれる。しかもこのあとに待っているのは得体の知れない忍者とのお見合い。
色々とアレだ。意味わからん。
いや、まぁカゲロウが阿呆だったからと言えばそれが全てなのだが。
「なんで俺がこんな目に……」
「いやぁ、またしても愚兄が申し訳ない」
「どわっ!? カゲヌイ!?」
いつの間にか、格子の向こうにカゲヌイが居た。
その手には『魔地悪威絶商会御一行様』と書かれた小さな旗。
「ガイアさん! 無事ですか!?」
「うおっ、お前らまで……」
テレサ・アシリア・コウメも一緒に来ていた。
「ガイア、大丈夫? ドラ焼きあげる」
「なんでドラ焼き……?」
「すごく美味しい」
「あ、あぁ、ありがとう」
よくわからないが、とりあえずアシリアからドラ焼きを受け取る。
「で、カゲヌイはいつも通り真の忍者だからとして、なんでお前らまで……」
「あの、ですね……実は、ドラ焼きを買いに行ってたら急にカゲヌイさんが来て、『ガイア氏が面白いことになってますよpgr。皆でひやかしに行きませう』ってここに連れてきてくれたんです……私なんかが説明してごめんなさい」
「なんも面白くねぇよ!」
「ひっ、ごめんなさい……!」
「あ、いや、ごめん、お前に言った訳じゃなくて……」
「こらこらガイア氏。コウメ氏は何も悪くありませんよ。面白がってるのは私だけですpgr」
……ああ、こんなにも人を殴りたいと言う気持ちで胸がいっぱいになったのは久しぶりだ。
「……まぁ、でも助かったよ……早くここから出してくれ」
最初に「愚兄が申し訳ない」つってたし、カゲヌイは何もガイアを弄るためだけに来た訳ではあるまい。
一応、弄るついでに助けてくれるつもりで来たのだろう。
「その前に、ガイア氏は私に言うことがあるのでは無いですか?」
「言うこと?」
「大魔王がうんぬん」
……何故このくノ一は、自分がいなかった場面の、しかも人の心の声を把握しているのだろうか。
どうせ聞いても「真の忍者ですから」で終了だろうが。
「まぁ、謝りたくないと言うのなら別に良いですよ。そして、謝らないなら助けないなんて心の狭いことも言いません。ちゃんと連れ出しましょうどこまでも。ただし、30分ほど放置した後に」
「なんで30分放置するんですか?」
「テレサ氏、ガイア氏がこの里に入ったのは、2時間33分28秒前です」
「あぁ、確かにそんくらい経ってるな」
おかげで割と普通にトイレに行きたい。
「それが何か重要なのか?」
「実はですね、常人がこの里に入って大体3時間ほどすると……この里に充満する忍者っ気に当てられて『デミ忍者病』にかかってしまうのです」
「でみ!?」
ここでアシリアの猫耳がピコッと反応。
アシリアはなんだかすごく目をキラキラさせている。
「アシリア氏。以前も同じ様なやり取りがあった気がしますが、デミグラスソースのことではありません。亜種とか≒と言う意味合いです」
「あ! あしゅは前に聞いた! …にあいこーるって?」
「非常に似ているが全く同じモノと言う訳では無い、と言う意味です。わかりやすく言えば、お○ぎとピ○コ、ガ○ダムとヒュッケバ○ンの関係ですね」
「ガン○ムとヒュッ○バインはわざわざ言う必要あったか……? で、具体的にどんなんなんだ? そのデミ忍者病って」
カゲヌイはふふっと笑い、
「まぁ、大した病ではありませんよ。ただ語尾に『ござる』と付ける習慣が一生取れなくなると言うだけの病です」
「結構デカくね!? それ結構重病じゃね!? ねぇ!?」
普通に生きている大学生には割とマジで死活問題な気がする。
ウェーイとか言ってる場合じゃない。
と言うか、人体にそんな重大な影響を及ぼすのか忍者っ気って。
法律で規制されるレベルでは無いだろうか。
「ござる口調のガイア氏……想像しただけでもう私としてはゴキゲン中飛車」
「ごめんなさい! マジでごめんなさい! だから早く出して! 里の外に連れ出して!」
「ごめんなさいでござる~、ここから出して欲しいでござる~、でしょう?」
「この野郎ッ……!」
「嫌なら良いんですよ。さぁお三方、向かいの忍者喫茶で30分ほど時間を潰しませう」
「わかった! 言う、言うから!」
って言うか何で忍者の里に忍者喫茶なんてあるんだ。見慣れてるだろって言うかお前ら忍者そのものだろ。ただの私服従業員じゃん。もしかして観光客向けだろうか。観光業に力入れてないで忍べよ。何の里だよ。タケノコか? 名物メンマつってたもんな。
などとガイアは余計なことを考えてしまう。
「ガイア氏、わかっていませんねぇ。ここは、『わかったでござる、言うでござる、言うから待って欲しいのでござる』……では?」
「お前、大魔王呼ばわりされるの自分でも仕方無いとは思わないか!? なぁ!?」
「ぶっちゃけ思いますが、それはそれ、これはこれ。今を楽しみませう」
本当に心底楽しそうである。
「ささ、決断の時ですよガイア氏。お選びください。一時のござるか、永遠のござるか」
「ぐっ……わ、わかったでござ…」
「あ、ちなみにデミ忍者病うんぬんは、ぶっちゃけ全てデタラメですので(笑)」
「こんの大魔王がぁぁぁああああぁぁぁぁぁぁぁぁあぁッ!!」
「が、ガイアさんが弄られてる…」
流石のガイアも、真の忍者が相手では分が悪い、と言うことだ。
そこには普通の忍者を始め、デビル忍者やトゥルー忍者などの各種忍者たちが割とのんびり暮らしている。
特産物はうずまき状のメンマ。
「普通の忍者ってなんだよ!」
ガイアの叫びに応える者はいない。
現在、ガイアは忍の里の客間(と言う貼り紙を急拵えで貼っただけの地下牢)に閉じ込められている。
何故ガイアが幽閉されているか端的に説明するなら、この一文でこと足りる。
カゲロウが阿呆だったせいだ。
どうやら、部外者を里の上層部の許可無しに里に入れるのは、御法度だったらしい。
カゲロウは「あ、忘れてた」とのこと。阿呆丸出しである。遺憾なく出し過ぎである。
と言う訳で、許可が降りるまでガイアはこの客間(地下牢)に放り込まれることになった。
「くそ……なんて日だ!」
あのブーシュとか言うアーリマンに殺されかけたと思ったら、忍者に拉致られ、忍の里で牢屋にブチ込まれる。しかもこのあとに待っているのは得体の知れない忍者とのお見合い。
色々とアレだ。意味わからん。
いや、まぁカゲロウが阿呆だったからと言えばそれが全てなのだが。
「なんで俺がこんな目に……」
「いやぁ、またしても愚兄が申し訳ない」
「どわっ!? カゲヌイ!?」
いつの間にか、格子の向こうにカゲヌイが居た。
その手には『魔地悪威絶商会御一行様』と書かれた小さな旗。
「ガイアさん! 無事ですか!?」
「うおっ、お前らまで……」
テレサ・アシリア・コウメも一緒に来ていた。
「ガイア、大丈夫? ドラ焼きあげる」
「なんでドラ焼き……?」
「すごく美味しい」
「あ、あぁ、ありがとう」
よくわからないが、とりあえずアシリアからドラ焼きを受け取る。
「で、カゲヌイはいつも通り真の忍者だからとして、なんでお前らまで……」
「あの、ですね……実は、ドラ焼きを買いに行ってたら急にカゲヌイさんが来て、『ガイア氏が面白いことになってますよpgr。皆でひやかしに行きませう』ってここに連れてきてくれたんです……私なんかが説明してごめんなさい」
「なんも面白くねぇよ!」
「ひっ、ごめんなさい……!」
「あ、いや、ごめん、お前に言った訳じゃなくて……」
「こらこらガイア氏。コウメ氏は何も悪くありませんよ。面白がってるのは私だけですpgr」
……ああ、こんなにも人を殴りたいと言う気持ちで胸がいっぱいになったのは久しぶりだ。
「……まぁ、でも助かったよ……早くここから出してくれ」
最初に「愚兄が申し訳ない」つってたし、カゲヌイは何もガイアを弄るためだけに来た訳ではあるまい。
一応、弄るついでに助けてくれるつもりで来たのだろう。
「その前に、ガイア氏は私に言うことがあるのでは無いですか?」
「言うこと?」
「大魔王がうんぬん」
……何故このくノ一は、自分がいなかった場面の、しかも人の心の声を把握しているのだろうか。
どうせ聞いても「真の忍者ですから」で終了だろうが。
「まぁ、謝りたくないと言うのなら別に良いですよ。そして、謝らないなら助けないなんて心の狭いことも言いません。ちゃんと連れ出しましょうどこまでも。ただし、30分ほど放置した後に」
「なんで30分放置するんですか?」
「テレサ氏、ガイア氏がこの里に入ったのは、2時間33分28秒前です」
「あぁ、確かにそんくらい経ってるな」
おかげで割と普通にトイレに行きたい。
「それが何か重要なのか?」
「実はですね、常人がこの里に入って大体3時間ほどすると……この里に充満する忍者っ気に当てられて『デミ忍者病』にかかってしまうのです」
「でみ!?」
ここでアシリアの猫耳がピコッと反応。
アシリアはなんだかすごく目をキラキラさせている。
「アシリア氏。以前も同じ様なやり取りがあった気がしますが、デミグラスソースのことではありません。亜種とか≒と言う意味合いです」
「あ! あしゅは前に聞いた! …にあいこーるって?」
「非常に似ているが全く同じモノと言う訳では無い、と言う意味です。わかりやすく言えば、お○ぎとピ○コ、ガ○ダムとヒュッケバ○ンの関係ですね」
「ガン○ムとヒュッ○バインはわざわざ言う必要あったか……? で、具体的にどんなんなんだ? そのデミ忍者病って」
カゲヌイはふふっと笑い、
「まぁ、大した病ではありませんよ。ただ語尾に『ござる』と付ける習慣が一生取れなくなると言うだけの病です」
「結構デカくね!? それ結構重病じゃね!? ねぇ!?」
普通に生きている大学生には割とマジで死活問題な気がする。
ウェーイとか言ってる場合じゃない。
と言うか、人体にそんな重大な影響を及ぼすのか忍者っ気って。
法律で規制されるレベルでは無いだろうか。
「ござる口調のガイア氏……想像しただけでもう私としてはゴキゲン中飛車」
「ごめんなさい! マジでごめんなさい! だから早く出して! 里の外に連れ出して!」
「ごめんなさいでござる~、ここから出して欲しいでござる~、でしょう?」
「この野郎ッ……!」
「嫌なら良いんですよ。さぁお三方、向かいの忍者喫茶で30分ほど時間を潰しませう」
「わかった! 言う、言うから!」
って言うか何で忍者の里に忍者喫茶なんてあるんだ。見慣れてるだろって言うかお前ら忍者そのものだろ。ただの私服従業員じゃん。もしかして観光客向けだろうか。観光業に力入れてないで忍べよ。何の里だよ。タケノコか? 名物メンマつってたもんな。
などとガイアは余計なことを考えてしまう。
「ガイア氏、わかっていませんねぇ。ここは、『わかったでござる、言うでござる、言うから待って欲しいのでござる』……では?」
「お前、大魔王呼ばわりされるの自分でも仕方無いとは思わないか!? なぁ!?」
「ぶっちゃけ思いますが、それはそれ、これはこれ。今を楽しみませう」
本当に心底楽しそうである。
「ささ、決断の時ですよガイア氏。お選びください。一時のござるか、永遠のござるか」
「ぐっ……わ、わかったでござ…」
「あ、ちなみにデミ忍者病うんぬんは、ぶっちゃけ全てデタラメですので(笑)」
「こんの大魔王がぁぁぁああああぁぁぁぁぁぁぁぁあぁッ!!」
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