村人の成り上がり英雄譚

ユノ

新たな仲間

リクとアリサはシイの家にいた。目の前にはシイの親がいる。
「シイは俺が連れて行く。お前たちの娘を貰うぞ。」
リクは親にそう言った。
「何言ってるの!ちゃんと言いなさいよ。」
アリサがリクを叩いた。
「すみません、シイちゃんの件ですが、リク君も承諾しまして、一緒に連れていくことになりました。」
アリサが改めて言い直した。
「娘を貰うぞ。」
リクが横から口をはさんだ。
「リク君は少し黙っていようか。」
アリサがそろそろ本気で怒りそうなので、リクは黙った。
「それはよかった。リク様とアリサ様でしたら安心です。どうかお願い致します。」
アリサとリクは挨拶を終えると、
「アリサは先に戻ていてくれ。」
「リク君は?」
「少し話していくよ。」
リクだけ残りアリサは戻って行った。
「シイは俺に決闘を挑んできたぞ。そして勝ち取った。お前たちの娘は立派だ。親として胸を張って門出を祝ってやれ。シイにとってお前たちはもう一つの家族だ。親として、ちゃんと向かいやってやれ。」
リクはそれだけ言うと出て行った。シイの親二人は出ていくリクに静かに頭を下げていた。次の日、リクとアリサのもとへシイが来た。シイの目は赤くなっていた。
「シイちゃんどうしたの?」
アリサが心配そうに聞く。
「何でもないよ。お義父さんと、お義母さんとお話してきただけだよ。今日からお姉ちゃんとお兄ちゃんと一緒にいていい?」
シイは目をこするとそういった。
「かまわない。明日には出ていく予定だからな。準備はできてるか?」
リクは何もなぜかと問うこともなく言った。
「うん、準備できてる。」
「じゃあ、今日は一緒に行動しろ。今日の夜今後について話し合う。」
リクは今日の予定を話した。
「お兄ちゃん、お姉ちゃん。『シイ=アマリス』です。これからよろしくお願いします。」
シイは笑顔で挨拶をした。

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