Duty
chapter 1 罪人 -2
2 9月2日 神谷陽太
学校の中にある区切られた閉鎖空間。
勉学に効率よく勤しむため「教室」と名付けられ区切られた閉鎖空間。
気味が悪いほど小奇麗で塵ひとつ無いこの3年1組教室に何人もの生徒が着席している。
しかし、その様子は異様である。
普通の学校の普通の教室でよく見る楽しげな光景などそこには無かった。
誰も喋ろうとしないし、不気味なほど静かで、この教室には『冷徹な秩序』しか存在してはいない。
どの生徒にも表情に怯えが見える。何かに恐怖し、震えている。
中には目に涙を浮かべ、泣き出す寸前の生徒すら窺える。
さらに教室内にはぽっかりと空けられ、花瓶が置かれてある生徒の居ない机と椅子がいくつも点在していた。
そんな教室内に一人鋭い眼光を放ち、周りを見渡す神谷陽太の姿があった。
彼は周りとは違い怯えてはいない。
しかし、その表情の中には、怒りと正義と冷静さが入り混じったような意思を感じ取れる。
陽太はゆっくりと目を閉じて深呼吸する。
まるでここに自分が存在していることを確認しているかのように。
深く深く。
目を開き、その自分の見える範囲で改めて教室を確認して見る。
「俺たちのクラスはおかしい」
そのとき、教室のドアが開き、ゆっくりと生徒たちを怯えさせないように教師が入ってきた。
その教師は浮かない顔で教壇に立ち、教室を一通り眺め、現在生きている生徒を見守るように、ゆっくりと口を開いた。
生徒たちを警戒させないように。
もう誰も傷つくことのないように。
陽太は祈っていた。
「新しい月になりました。皆さんなるべく、いや絶対に、誰にも不快な思いをさせないように。これ以上、誰も犠牲にならないために……」
教師は冷静さを保っているようだが、きっと心のどこかでは今起きている異常事態に対し恐怖を抱いているのだろう。
そして陽太は現在このクラスの現状を嘆くように深く再認識した。
「このクラスは呪われている」
と。
学校の中にある区切られた閉鎖空間。
勉学に効率よく勤しむため「教室」と名付けられ区切られた閉鎖空間。
気味が悪いほど小奇麗で塵ひとつ無いこの3年1組教室に何人もの生徒が着席している。
しかし、その様子は異様である。
普通の学校の普通の教室でよく見る楽しげな光景などそこには無かった。
誰も喋ろうとしないし、不気味なほど静かで、この教室には『冷徹な秩序』しか存在してはいない。
どの生徒にも表情に怯えが見える。何かに恐怖し、震えている。
中には目に涙を浮かべ、泣き出す寸前の生徒すら窺える。
さらに教室内にはぽっかりと空けられ、花瓶が置かれてある生徒の居ない机と椅子がいくつも点在していた。
そんな教室内に一人鋭い眼光を放ち、周りを見渡す神谷陽太の姿があった。
彼は周りとは違い怯えてはいない。
しかし、その表情の中には、怒りと正義と冷静さが入り混じったような意思を感じ取れる。
陽太はゆっくりと目を閉じて深呼吸する。
まるでここに自分が存在していることを確認しているかのように。
深く深く。
目を開き、その自分の見える範囲で改めて教室を確認して見る。
「俺たちのクラスはおかしい」
そのとき、教室のドアが開き、ゆっくりと生徒たちを怯えさせないように教師が入ってきた。
その教師は浮かない顔で教壇に立ち、教室を一通り眺め、現在生きている生徒を見守るように、ゆっくりと口を開いた。
生徒たちを警戒させないように。
もう誰も傷つくことのないように。
陽太は祈っていた。
「新しい月になりました。皆さんなるべく、いや絶対に、誰にも不快な思いをさせないように。これ以上、誰も犠牲にならないために……」
教師は冷静さを保っているようだが、きっと心のどこかでは今起きている異常事態に対し恐怖を抱いているのだろう。
そして陽太は現在このクラスの現状を嘆くように深く再認識した。
「このクラスは呪われている」
と。
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