漂流先の魔法世界で生き残りサバイバル!
魔力満ちる森の中で!
フローラと森の中を探索してしばらく経ち、三箇所ほど洞窟を調査したが目当ての魔法石は見つからず。
時間にするとそう長くはないはずだが、収穫なしだと少し疲れを感じるようになっていた。
「なかなか見つからないもんだなぁ。この森も広いみたいだし、洞窟もどれくらいあるのか」
「渡された地図では、残り後四箇所ほどありますね。ただここから少し離れた場所になりますが」
「うーん、せっかくの魔法の世界なんだから、移動の道具とか魔法ってないのかね」
「道具ですか……移動用ならあるみたいですが、なんでも魔力の濃い場所だと上手く制御できないみたいですよ」
「なるほどね。いわゆる暴走状態みたいなもんか」
本来なら退屈していたであろう移動も、フローラとの会話でしのぐことができている。
そもそも、これだけ二人きりの時間ってのも久しぶりだ。
「大樹さん大丈夫ですか? 急に黙ってしまって」
「ん? ああ大したことないけどさ、こういうのって久しぶりだなって」
「こういうの?」
「そうそう。フローラと二人きりで行動したりって、何だか久しぶりだなってさ」
「確かにそうですよね。思えば出会った頃もこのような森のような場所で隠れながら行動してましたしね」
考えてみれば、あれから色々なことがあったよな。
いきなり学園に連れて行かれて、魔法が当たり前の世界だって分かって。
結局はこうして楽しめてるんだから、運がいいんだろうな。
「あっ! 大樹さん、次の洞窟が見えてきましたよ」
「よし、さっさと行こうぜ。ここで見つかるといいけどな」
暗い洞窟内へ向かう前に、フローラの魔法で落ちている木の棒に火をつけ松明を作る。
原始的かもしれないが、難しい魔法の使えない俺にはこれしか手はないのだ。
「しっかし、本当に特殊な魔法石なんてあるんだろうか」
「絶対あるとは話していなかったので、ない可能性もありますよね」
まぁ、そもそも絶対あると分かっていれば自分で調査に来るだろうしなぁ。
「確かあればわかるって言ってたよな? それって強い魔力を含んでるって事なのか」
「おそらく。それか、極端に大きいかでしょう。判断の難しい調査を、私たちにするとは思えません」
「なるほどなぁ。元はと言えば俺に頼んでるし、そこまで難しい調査でもないのか」
「……大樹さん、ちょっと待ってください。この先から、今までとは違う魔力を感じます」
急に立ち止まったかと思うと、フローラは真剣な顔でそう話す。
さらに集中するためか、目を瞑り祈るように手を組む。
「何かわかったか?」
「そうですね、この先から特殊な雰囲気の魔力を感じます……行ってみましょう」
フローラを先頭に、俺は後ろからついて行く。
正直俺には感じないが、優秀なフローラには何か分かるのかもしれない。
「っと分かれ道か。どっちから魔力を感じる?」
「そうですねぇ、気になるのは右でしょうか」
「わかった、行ってみよう」
その後も、何度か分かれ道があったがフローラはハッキリと魔力を探知し洞窟を進んでいく。
そして、前をいくフローラの足が止まると、目の前には。
「これは……巨大な木か? 前に一度見せてもらった、この国の魔法樹よりは小さいかもしれないけど」
それでもかなりの大きさだろう、俺の目の前には巨大な木の一部しか見えていない。
洞窟の地面から天井を突き抜けていて、上を見れば隙間からさらに伸びているのがわかる。
「魔法石ではないですが、ここからかなりの魔力を感じます」
フローラはそう話すが、正直俺でも少し感じるほどだ。
だからこそ、この場所の魔力の強さ、濃さは相当なのだろうと思う。
「実は俺でも魔力を感じるほどなんだ。もしかすると、この辺りに特殊な魔法石があるとか?」
「わかりません、ただ可能性はありますね」
そう話すフローラの声が、いつもと少し違うことに気がついた。
「なんか少し辛そうだな。少し休もうか?」
「……そうですね、少し座らせてもらいます」
おそらく魔力酔いってやつだ。
授業で習ったが、魔力の濃い場所では時に気分の悪化を招くらしい。
特にフローラみたいな魔力を感じやすい人には辛いのだろう。
「よし、俺がサクッと探してくるから休んでてくれ」
「すみません、回復したら私も探しますね」
フローラのためにも、さっさと付近の探索を終わらせよう。
怪しい場所、特に暗い場所を重点的に探していった。
「ここにも無ければ厳しいな……ってこれは!?」
それは木の近く、地面が少しこんもりとしていた場所を掘っていた時だった。
時間にするとそう長くはないはずだが、収穫なしだと少し疲れを感じるようになっていた。
「なかなか見つからないもんだなぁ。この森も広いみたいだし、洞窟もどれくらいあるのか」
「渡された地図では、残り後四箇所ほどありますね。ただここから少し離れた場所になりますが」
「うーん、せっかくの魔法の世界なんだから、移動の道具とか魔法ってないのかね」
「道具ですか……移動用ならあるみたいですが、なんでも魔力の濃い場所だと上手く制御できないみたいですよ」
「なるほどね。いわゆる暴走状態みたいなもんか」
本来なら退屈していたであろう移動も、フローラとの会話でしのぐことができている。
そもそも、これだけ二人きりの時間ってのも久しぶりだ。
「大樹さん大丈夫ですか? 急に黙ってしまって」
「ん? ああ大したことないけどさ、こういうのって久しぶりだなって」
「こういうの?」
「そうそう。フローラと二人きりで行動したりって、何だか久しぶりだなってさ」
「確かにそうですよね。思えば出会った頃もこのような森のような場所で隠れながら行動してましたしね」
考えてみれば、あれから色々なことがあったよな。
いきなり学園に連れて行かれて、魔法が当たり前の世界だって分かって。
結局はこうして楽しめてるんだから、運がいいんだろうな。
「あっ! 大樹さん、次の洞窟が見えてきましたよ」
「よし、さっさと行こうぜ。ここで見つかるといいけどな」
暗い洞窟内へ向かう前に、フローラの魔法で落ちている木の棒に火をつけ松明を作る。
原始的かもしれないが、難しい魔法の使えない俺にはこれしか手はないのだ。
「しっかし、本当に特殊な魔法石なんてあるんだろうか」
「絶対あるとは話していなかったので、ない可能性もありますよね」
まぁ、そもそも絶対あると分かっていれば自分で調査に来るだろうしなぁ。
「確かあればわかるって言ってたよな? それって強い魔力を含んでるって事なのか」
「おそらく。それか、極端に大きいかでしょう。判断の難しい調査を、私たちにするとは思えません」
「なるほどなぁ。元はと言えば俺に頼んでるし、そこまで難しい調査でもないのか」
「……大樹さん、ちょっと待ってください。この先から、今までとは違う魔力を感じます」
急に立ち止まったかと思うと、フローラは真剣な顔でそう話す。
さらに集中するためか、目を瞑り祈るように手を組む。
「何かわかったか?」
「そうですね、この先から特殊な雰囲気の魔力を感じます……行ってみましょう」
フローラを先頭に、俺は後ろからついて行く。
正直俺には感じないが、優秀なフローラには何か分かるのかもしれない。
「っと分かれ道か。どっちから魔力を感じる?」
「そうですねぇ、気になるのは右でしょうか」
「わかった、行ってみよう」
その後も、何度か分かれ道があったがフローラはハッキリと魔力を探知し洞窟を進んでいく。
そして、前をいくフローラの足が止まると、目の前には。
「これは……巨大な木か? 前に一度見せてもらった、この国の魔法樹よりは小さいかもしれないけど」
それでもかなりの大きさだろう、俺の目の前には巨大な木の一部しか見えていない。
洞窟の地面から天井を突き抜けていて、上を見れば隙間からさらに伸びているのがわかる。
「魔法石ではないですが、ここからかなりの魔力を感じます」
フローラはそう話すが、正直俺でも少し感じるほどだ。
だからこそ、この場所の魔力の強さ、濃さは相当なのだろうと思う。
「実は俺でも魔力を感じるほどなんだ。もしかすると、この辺りに特殊な魔法石があるとか?」
「わかりません、ただ可能性はありますね」
そう話すフローラの声が、いつもと少し違うことに気がついた。
「なんか少し辛そうだな。少し休もうか?」
「……そうですね、少し座らせてもらいます」
おそらく魔力酔いってやつだ。
授業で習ったが、魔力の濃い場所では時に気分の悪化を招くらしい。
特にフローラみたいな魔力を感じやすい人には辛いのだろう。
「よし、俺がサクッと探してくるから休んでてくれ」
「すみません、回復したら私も探しますね」
フローラのためにも、さっさと付近の探索を終わらせよう。
怪しい場所、特に暗い場所を重点的に探していった。
「ここにも無ければ厳しいな……ってこれは!?」
それは木の近く、地面が少しこんもりとしていた場所を掘っていた時だった。
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