漂流先の魔法世界で生き残りサバイバル!

大吉祭り

影の正体は!

 「今のところ何も感じないか?」


 小声で、隠れているクリムとリファ先輩に尋ねる。
 今日の作戦の鍵は先輩だ。


 「先輩によると、この近くにはいないらしい。となると……一つ下の階に降りよう。大樹、移動を頼む」

 「わかった」


 クリムの指示通り移動すると、とある教室の前へ。
 この場所は、昨日猫を見つけたところだなぁ。

 そんなことを考えているとクリムから。


 「ちょっと待ってくれ。今、先輩が魔力を感じたと言う。場所は……隣の教室だ」

 「確認してみる」


 それは昨日猫が出た隣の教室。
 この辺はいつも何かいるのか?

 覚悟を決めてこっそりとドアを開く。
 当たり前だが、明かりはないので、かわりになるのは月明かりだけだ。

 だけど、たったそれだけの光で、そこに誰かがいるのがわかった。

 ……女の子だ。
 綺麗に伸びた長い髪は、月明かりに照らされ白く、綺麗に輝いている。

 背は低めでスラリとした体型、小さな顔で美少女と言えるのかも。
 着ている服は、俺たちの学園のもので、いたら目立ちそうなのに、こんな人は知らない。

 そして最大の驚きは……


 「クリム、探してた人はこの人かもしれないけど……アクシデントだ。今から来てくれ」


 通信を終え、再び二人きりの時間が訪れる。
 二人?
 彼女には、白く綺麗な尻尾が生えているのだった。

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く