漂流先の魔法世界で生き残りサバイバル!

大吉祭り

日本のみんなは!

 「失礼します」


 学園の長期休暇最終日。
 俺は突然、学園長から呼び出されているとクリムから聞いた。

 特に問題も起こしてないのに。
 だけど学園長からの呼び出しなんて、いいことではないだろう。


 「来たか来たか、まぁ座って」


 前と同じ、奥の部屋から出てくる学園長に言われるがまま、座る。


 「それで、何か問題でもありましたか?」


 俺の問いに、学園長は笑いだし。


 「どうしてそうなる。今回は、君が心配しているであろうことについて、説明してあげようとだな」

 「心配ですか? どれのことだろう」

 「そんなに心配事があるのか。今回は、君の日本でのことじゃ」


 日本!
 その言葉は、久しぶりに聞いた気もする。


 「日本で何かあったんですか!?」

 「そうではない。実は、君のことに関する記憶を少し操作した。それの連絡じゃよ」

 「記憶……ですか?」

 「そう、君が長期間日本に戻らなければ、心配する人もおるだろうと。そこで、特例ながら外の世界に魔法をかけた」


 それが記憶に関する魔法か。


 「これで、君の母親も心配しないじゃろうな」

 「そう言うことですか。確かに、何日も帰ってないわけですからね」

 「それと、この魔法は世界中でかけておいたからの。どこにいても、同じ認識を皆持つはず」


 そうなると、恵とかにもしっかり効果あるんだろうな。
 一安心だ。


 「ところで学園長。その記憶というのは、どのような設定に?」


 すると学園長は、口元をニヤリとさせ。


 「思いつかなかったので、クリムに任せたぞ? 気になるなら本人から聞くんじゃな」

 「は、はぁ……」


 学園長の表情が気になったが、とりあえず心配はされないようだ。
 それはそれで少し寂しいが。


 「話はこれだけじゃから、戻っていいぞ。明日からの勉学を怠らないように」

 「わかりました、失礼しましたよ」


 その後は特に用事もなく、一日をぼんやりと過ごした。
 明日からの学園生活。
 期待と不安を抱え、少し早めに寝ることにした。

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