漂流先の魔法世界で生き残りサバイバル!

大吉祭り

探検とキノコ狩り2!

 別荘から数十分、人の手が入っていない森の中を進んでいく。


 「みんな、いつマッシュリザードが出てくるかわからないから、そろそろ気をつけていこう」


 先頭を歩くリッシュが、俺たちの方を見ながら小声で伝える。
 基本的に、俺たちの作戦は先に見つけなければ、上手くいかない。

 つまり、先手を打つしかない。
 だからこそ、これだけ慎重にいかなきゃいけないのだ。


 「そういえば先輩、たしか本で見てたって。住処にしやすい場所とか、書いてありませんでしたか?」

 「読んでたのは覚えてるけど、詳しいことは……でも、水のある所が好きだったような」

 「それですよ!」


 先輩の返事にリッシュは小さく指をパチンとさせ。


 「これだけでもかなり場所は絞れるはず。先制攻撃のために、水の近くを探していこう」

 「だけどリッシュ、この森にどれだけの水があるかもわからん。地図もないしどうするんだ」


 俺の問いに、リッシュではなくフローラが。


 「あの、大樹さん。水の集まる場所なら、私がなんとなくわかります」

 「そ、そうなのか? でもどうして」

 「理由はわからないんですけど、何となく魔力を感じるんです。それも自然の」


 そうか、この世界の自然には魔力が溢れているらしい。
 水には水の、火には火の。

 魔法はこれらを利用して発動させている。
 フローラには、その魔力を感じられるらしい。

 それを聞いたリッシュが、またも指を鳴らしながら。


 「フローラさん凄いよ! これで場所にも困らないし、気をつければマッシュリザードにも見つからない。危険も回避できそうだ」

 「そうだな、女性陣には助けられてばかりだ」


 俺がそう言うと、フローラは小さく首を横に振り。


 「いえ、皆さんの役に立てて嬉しいんです。私でも力になれるなら」

 「「て、天使だ」」


 俺とリッシュは見事に被るのだった。

コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品