漂流先の魔法世界で生き残りサバイバル!

大吉祭り

学園長と指令!

 重そうな扉を開くクリム。
 それでも軽々と開けるところを見ると、魔法が関係しているのか。


 「私はここで待機なので、二人は中へ。学園長に会うといい」


 言われるようにフローラと二人中へ入る。


 「広いですね。それに、とても綺麗で」


 フローラが部屋に入るなり感想を言う。
 確かに、無駄に広いとすら感じる。
 ものは少なく、部屋の中央に大きな机とイス。
 壁を見れば高そうな絵画まで。

 金持ちなのだろうか。
 部屋の雰囲気もそんな感じがする。
 
 俺がそんなことを考えていると、奥にあるドアが開き、白髪の老人が出てきた。


 「待たせてしまったかの。この学園の長であるコールという。よろしくお願いするよ」

 「こ、こちらこそよろしくお願いします?連行されてきた伊藤大樹と言います」

 「フローラと申します」

 「これはこれは、お若い二人が林で保護されたと聞いて心配していたのだぞ?怪我はなさそうじゃが」


 ん?保護?
 俺たちは何かやらかしたわけではないのか。


 「あの、すみません。俺たちは保護されたんですか?クリムって子には連行と言われたんですけど」

 「連行?ワシは保護だと考えていたのじゃが。・・・そういえば君達、あまり見ぬ顔だがどこから来たのだ?」



 それから俺は、コールさんに自分が日本から来たこと、漂流したこと、記憶のないフローラとのことを話した。


 「なるほど〜、ではこの島のものではないと。であれば話は少し変わりますぞ。本来、この島には特殊なルートでなければ来ることができん。それを無視して来るなど、滅多にあることではないのじゃ」

 「そ、そうだったんですね。魔法とかある時点で、そうじゃないかとは思ってましたが」

 「それに、そちらのお嬢さんは記憶がないのじゃろう?その制服は間違いなくこの学園のもの。無関係ではないはずじゃが」


 フローラの服は、やはりこの学園の制服だったのか。
 そうなると、やはりこの島の人間なんだな。


 「でじゃ、この島のルールとして、正規のルート以外から来たものには監視の義務がある。つまり、しばらくは島を出られんぞ?」


 コールさんは笑いながら、恐ろしいことを言った。
 つまり、帰れないということだ。


 「驚いているようじゃが、本来の手続きなしに国に入れば、通常であればもっと重たい刑もあるのだぞ?この国は寛大じゃ」


 確かに現状、フローラはともかく俺は不法入国者だ。
 最悪何年間も牢屋だったり?


 「なぁに、心配なさんな。この国のルールでは監視、ある程度の期間問題なければ解放すると決まっておる」


 「そ、そうですか。それはよかった」

 「じゃが安心するのも早い。今からワシは、君に一つやってもらうことがある。監視中はワシのいうこと聞いてもらうぞ?」


 おい、これはまるで操り人形じゃないか!?
 少しは逆らいたいが、立場上絶対無理か。


 「お願いとはなんでしょう?無理難題でなければありがたいです」


 俺がそう言うと、コールさんはニヤリと笑い。


 「監視期間中、そこのお嬢さんと一緒に学園に通ってもらうぞ」

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