漂流先の魔法世界で生き残りサバイバル!

大吉祭り

伝説の内容と旅立ち

  相川の持って来た話を簡単にまとめる。
  
  海に囲まれたとある島に、大勢の海賊が現れ、襲い始めた。
  そんな中、一人の男が立ち向かい、海賊たちを追い払った。
  彼はその後消えてしまったという。

  「たった一人で島を救った英雄ということか。しかし、どうやって戦ったのか」

  大勢の海賊ということで、一人で勝てるはずはない。
  相当な腕前だったのか。

  俺がそんなことを考えていると。

  「言い伝えでは、人間離れした技を使ってたらしいよ。何もないところから火を出したり」

  相川が楽しそうに答えると、俺にはある一つの疑問が湧いて出た。

  「これは検証する必要あるのか?いくら俺でもこの謎を解明する気には」

  俺は自分の好奇心の強さを理解している。
  そのため、小学5年の頃から学校の七不思議や噂話の検証を行って来ているのだ。
  七不思議なんかは、正体があっけなかったりする。
  それでも、知りたいという気持ちが抑えきれないのだ。

  しかしここまで現実離れしていると・・・。

  「でもこういう謎もたまには検証してみたら?現地調査なんてしたら、夏休みの旅行にもなるしね」

  今の相川の発言でわかったが、ただ単に旅行に行きたいだけだ!
  そう思った俺は携帯を取り出すと、先ほどの言い伝えについて検索してみた。

  「何調べてるの?行く気になったのかな!?」
  「うーん、本当にあるのか確認をね」
  「嘘なんかつかないよ!」

  隣でギャーギャー騒ぐ相川を無視し、携帯に目をやると確かに言い伝えはあるようだった。
  しかし、調べたことで新たな問題も出てくるわけで。

  「なー相川、一応聞くけど、この言い伝えの島ってどこら辺にある?」
  「オーストラリアの近くだってさ」
  「おい!」

  何事もないように答える相川に、軽くツッコミをいれてやる。
  いきなり行こうと言われた場所が、まさかの海外とか、恐ろしい発想だ。

  「お金の心配はいらないよ〜。お父さんが出してくれるってさ。話したらもうノリノリで」
  「相川の父さんは、本当にいつもお金出してくれるよな。前にも装備品買ってくれたし」
  「大樹のこと気に入ってるんだよ」

  そう言われると、少し嬉しかったり。
  相川の父さんは、発明家らしく相当なお金持ちである。
  家に入ったことはないが、外観だけは知ってる。
  一言で言えばお城のようだった。

  「お金持ちは、本当行動力あるよね」
  「ウチなんてそんなにお金無いよ〜。新しいこととか、噂話が好きなだけ」

  相川の家が金持ちでなければ、俺はどうなってしまうんだ。

  「じゃあ、チケットは3日後だから、それまでに準備しておいてね〜。謎解きするぞ〜」

  最早ツッコミを入れる気すらなくなった。

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