新Dual Personality Duet

結月 五紀

異世界とゲート

とある昔の言い伝えである。

「悪を喰らうものよ悪に喰われる時ゲートを示したまえ」

どこにでもあるような言い伝えだが
これは、代々巫女の家柄に伝えられているものであり……これは、どうしようもない未来なのだから。



私は、姫巫 藍ひめみ らん
少し特殊な高校一年生である…特殊とは、家柄のことである。
私の家柄は、巫女みこであり、私で5代目巫女になる。
そんな私は、今体にかなりの負荷をおっている…負荷をおっているとは、この身に世界の悪意を封印している。
世界の悪意とは、人に宿る悪意そのもののエネルギーである。
人の悪意と聞けば何ともないように
聞こえるが…人の悪意は人を人でなくす可能性があるのだ。
悪意とは、心の闇であるため
その中に光などない…ましてや高まった悪意は、自分を制御出来るはずないのだ。
それをこの巫女は、自己犠牲覚悟の上で
この身に封印したのである。
これは、体に大量のエネルギーの塊を
体に喰わしてるものである…ゆえ
死にも至ることもある。
その自己犠牲の封印を施した体も影響が起きた。

「うっ!」

ドクンッ!
魂が引き裂かれかのような感覚である。
これは、悪意そのものが意思を宿したのだろう…藍自身を消そうとしてるいるのだ。
それと同時にある言葉が頭に浮かんだ。

(悪を喰らうものよ悪に喰われる時ゲートを示したまえ)

「これは…言い伝え?何故、今この言葉が」

答えは、明白……今藍自身は、悪に喰われ始めている。
なら、ゲートを示せとは何か…
それが解からない以上今を変える
事は、出来ないだろう。
その答えは、この家の地下に眠っている可能性がある。
答えとは、可能性の中にあり可能性のある限り進まないと先には行けない。
先に進むため次の日、家の地下を調べてみることにした。
次の日、起きてみると封印が安定して
特に異常は、なかった。
体の異常は、なかったがまたこんな事が起きるかわからない以上、地下を調べる事は変わらない。
藍は、早速家の地下に潜ってみるとそこには、一つの入り口があった。
中に入るとそこには、文字が刻まれた壁があり…その中心には、装置みたいなものがあった。
壁に刻まれた文字は、巫女の秘密事項を記すために作られた…巫女しか読むことのできない文字で書かれていた。
その文字の名前は、巫読字みよみじと言う。
もちろん、巫女である藍にも読める。
そこに書かれていたことは……

「ある日のことである…世界の悪意の暴走により、世界の基盤が壊れ始めようとしていた…悪意の暴走を止めるために装置を作った。この装置は、この世界とは別の世界を繋ぐための装置である…もう一つの世界は、ある事件で出来た世界…ある事件とは、世界の悪意の暴走により世界に歪みが出来た、その歪みがもう一つの世界である…つまり、二つの世界は言わばもう一つの地球である…そして、世界の悪意を止める方法は、歪みで出来た世界を守ることだ…歪みで出来た世界が危険になれば世界の悪意も増える。そして、歪みで出来た世界が平和な程この世界は、安全になる…ちなみにこの装置を動かすのに大量のエネルギーが必要である…そのエネルギーとは…」

ここから先は、文字が欠けていてよく見えなかった…そして、この壁に刻まれた文字は、世界を救う方法が記してあった。

「この装置は、私達巫女の先祖が創り出したものなんだ…」

そう言いながら、装置に触ると
いきなり、視界が明るくなり
目を開けるとそこは、大草原だった。




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