私の家族たち

司波結華

川村家の人々②

「俊にぃ、間違いなく衆合地獄おちだね」
千咲の毒舌に対し、俊介は…
「な、何だよ。そのしゅうちごくって」
少々、馬鹿である。
「章吾は知ってるか?…章吾?」
黙々と食べながら、携帯をいじる色黒の体格の良い男。携帯の画面には、今売り出し中の大人気アイドル、塚原ホタルのTwitterが写っていた。

川村章吾30歳。職業、大工。
川村家四男。強面とは思えぬほどのアイドルオタクだ。
無論、彼女はいない。家にお金はちゃんと入れる真面目さはあるが、好きなアイドルに関しては妥協はしないポリシーがある。

「章にぃ、ホタルちゃん今度Liveやるんでしょ?横浜アリーナだっけ?」
「そうなんだ!1枚、余っているから千咲も一緒に行く?」
「えっ!いいの?うわっアリーナ席じゃん」
章吾が一緒ならば、遅くまで外出が可能なので千咲は喜んでついていく。俊彦も目くじらは立てないのだ。章吾は千咲に1番甘く、言えば何でも買ってくれる。
今、ファンクラブでも入手困難な人物のチケットを章吾は難無く手に入れている。

「確かに塚原ホタルの経済効果は絶大だからね。CMで宣伝した商品は、完売続出。
プロデュースした商品は、半年以上待ちが当たり前と聞く。不景気の日本を救ってくれる事は、間違いないね」

経済評論家ばりの解説に、章吾以外脱帽する。
「さすが分かってるね、大輔」
「当たり前だろ」

川村大輔25歳。職業、銀行員。
川村家五男。
入社僅かながら、倒産寸前の会社に少しのアドバイスだけで倒産を免れさせた逸話を持つ。そして、業績が伸びない中小企業にアドバイスをし、今や有名大企業にまでさせる采配をするなど、抜群の経済に対して知識がある。倹約家な面もあり、趣味は記帳と貯金。
川村家の金庫番を担っている。
そして、他の事には全く興味がない。
「そういえば俊にぃ。先月よりも、今月は少ないね給料。ナンバーワン危ういの?」
「そんな馬鹿な。クソー来月は、倍だからな!絶対!」
「期待してるよ」
これは、大輔の嘘だ。俊介以外、皆知っている。

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