LINE 弁護士

奥嶋光

変なやつ

私「んっ?何だこれ?」
嫁「どうしたの?」
私「今後はLINEでやり取りするらしい(笑)」
嫁「えっ?何それ?」

書類の下の方にはこのように書いてあった。
【先日のご無礼をお許し下さい。私と電話をする事でご主人様を不愉快にさせてしまった事を受け止め、1つ提案がございます。ご主人様が宜しければLINEでやり取りしたいのですが如何でしょうか?私のLINE IDはこの用紙に記入しておきます。私の業務用電話にご主人様の番号を登録したので友達追加をオンにしたら私のLINEアカウントが出てくるかもしれません。ご連絡頂けると幸いです。】
このような文章とLINE IDが記載されていた。最近は店舗とかでもLINEのアカウント作ってるみたいだし、そういや中古車屋で働いてる友達も店舗のアカウントでお客さんとやり取りしてるとか言ってたな。
画像とかも簡単に送れるし確かに便利かもな、けど俺らとこいつは友好的な関係じゃないんだけどな。
何だかな〜と思いながら、送られてきた封筒に書いてある法律事務所をググってみる。その横では嫁も書類を最後まで目を通してアハハと笑っていた、事件以降初めての笑いだったと思う。
ググって観てみると、どうやら去年開業したらしい。
鈴本の経歴を見ると慶應義塾大学卒からの早稲田大学院卒か、そして弁護士事務所を開業するに至る。金持ちの息子のエリート像が浮かんだ。
Fラン大卒の私は彼の学歴の良さにコンプレックスと脅威を感じた、頭の良さでは勝てそうにもない。
それとSNSを駆使した交渉を提案するなど柔軟性も兼ね備えている、なるほど手強そうだ。
私は書類にあった通りLINEの友達自動追加と追加を許可をオンにしてみた、すると私の友達リストにお友達かも?と鈴本のと思われるアカウントが表示されていた。
見てみると奴の名を冠した弁護士アカウント、しかも公式とある。公式って…(笑)
奴のアカウントのイメージ画像は六法全書だった、自分は法律を熟知していて手強いですよというアピールか、私は無言の圧力を感じた。
嫁にもiPhoneを渡して見せると無邪気にも笑っていた、しかしそんな嫁を尻目に交渉人である私はプレッシャーを感じていた。
その日の晩酌、いつもより泡盛が違う意味で進んだ。
どうやって奴と渡り合うか、交渉人として条件を釣り上げるか。嫁の手前もあり簡単に引き下がる訳にはいかない、加害者側にも痛い思いをさせないといけないのだ。
そんな事を考えるあまり、とうとう私は酔いつぶれて寝てしまった。

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