LINE 弁護士

奥嶋光

きっかけ

きっかけは家族が事件に巻き込まれた事だった。
ある日車で自宅に戻った時に私が駐車場に車を停めようとすると、向かいの駐車場に大人が7、8人いた。こんなところにいつもは大人が大人数でたむろしている事などない。近くの中学校の生徒がたむろしてペチャクチャ喋っているのはよく見かけるが。
私は直感で刑事かなと思った。少し離れたとこに覆面の捜査車両があり確信に変わる。
その人だかりを見ると何と私の嫁がいるではないか。
何があったんだとドキドキしながら急いで車を停めて歩み寄ろうとすると、車を停めた瞬間に私にその中の長身メガネの男が近づいてきた。
「ご主人ですか?実は奥さん事件に巻き込まれて今現場検証してます。怪我とかはしてないので、ご安心下さい。」
そう言われて嫁を見ると落ち込んでいた、メガネもずれたまんまでポツンと立ちすくんでいる、怖かったのだろう。
刑事の言う通り怪我した様子はなさそうなのでひと安心した。
どうやら見知らぬ男に刃物を向けられて脅かされたらしい、とっさに逃げたので大事には至らなかったのが幸いだった。
犯人はその場から逃走し、嫁が110番通報して警察に来てもらい現場検証してるところに私が帰宅した訳だ。
その後は調書を取ったり捜査に協力して欲しいというので、出来る限り協力した。
何回も同じ話をさせられたり、警察署に行ったりしたので嫁も大分滅入ったようでぐったりしていた。
事件から2日後、捜査の甲斐あって犯人を逮捕したと嫁に電話連絡が来た。
逮捕容疑は強盗未遂で何と犯人は未成年だった、嫁はびっくりしていた。30歳前後のオタク風な男と証言していたのだ、犯人は実年齢よりだいぶ老けてる少年オヤジかと私は思った。
それから数日後地検の事務官から今度は検事が調書を取りたいという事で嫁に連絡が来た。
その時に相手は国選弁護人を付けている事、示談を提案されるかもしれない事の2点を聞いた。
弁護人に連絡先を教えて良いかと言われ妻は事件のショックもあり自分では話したくないので夫である私の連絡先を教えた。
それがこの話の弁護士で、加害者の弁護人vs被害者の旦那という図式である。


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