腹下したせいで1人異世界転移に遅れてしまったんですが 特別編 〜美少女転校生と始める学園生活〜

けん玉マスター

46話 修学旅行14

「ユウ、ユウ!お土産何がいいと思う?!」
ミーシェが楽しそうに優に話しかける。
「そうだな…ここはシンプルに八ツ橋とかでいいんじゃないか?」
「だよね〜。あとあぶらとり紙も大事だよね。うーんとそれとこれとこれと…」
ミーシェはお土産屋さんに並ぶものを次々とカゴに入れていく。
「おい、そんなに買って大丈夫か?」
「だって〜…選べないよぉ…。えーい!もう全部買っちゃえっ!これ買いまーす!」
「まいどありー。」


修学旅行最終日。
この日は帰りの新幹線の前にお土産を買いに来ていた。
「ふぅ…これだけ買えば安心だね!」
「そうだな…俺もおじさん達へのお土産とバイト先へのお土産沢山買えたし満足だ。」
「お昼どこで食べる?」
「そうだなぁ…陸たちと合流するのが2時だとして…あと一時間半あるし…どこでもいいぞ?」
「ほんと?じゃあ私和食が食べたいな。」
「和食か。わかった。どこかいい店があったら入ろうか。」
「うん!」
そう言って2人は手を繋いで歩き出した。



「…ねえ陸…本当にこれ買うの?」
「ん?なんか変か?」
「…だってこれ…」
由希が眺めるのは陸のカゴに入った物。
「こういうのがいいかと思ってな…。」
陸のカゴに入っているのは木刀、そして竹刀。
「…いや、陸がいいならいいんだけどさ…。」
「お土産と言えばやっぱり木刀だろ?お、兜もあった。」
陸は兜を手に取りカゴに入れる。
「…そ、そうね。」


「さて…まだ時間もあるしお昼でも食べに行くか…。」
「…そうね。お腹減っちゃった。」
「まあ店は適当にぶらつきながら見つければいいか。何か食べたいものか行きたいところがあったら言ってくれ。」
「…どこでもいいよ?どの店も美味しいし。それに…」
「それに?」
「…り、陸と食べれるなら私はどこでも…」
「そ、そうだな!なんなら昨日とおなじマックでも…。」
「…そ、そうね…!でもせっかく京都に来たわけだしあそこにあるお茶屋にでも行かない?」
「ああ。行こう。」
陸は茶屋に向かって歩き出す。
「…ちょ、ちょっと待って。」
由希は陸の服の袖を掴む。
「どうした?」
「…手…繋ごうよ。」
「!…そうだな。」
陸は手を差し出す。
「…ふふ。」
由希はその手をとる。
「…行きましょ?」
「ああ。」
そう言って2人は2人は手を繋いで歩き出した。


「っ!…くそ!なんでみんな俺を誘いに来ないんだ…!」
一人の男は悩んでいた。
「自由行動の時間だって…本当はミーシェさんと一緒に行くはずだったのに…!」
男、天城光祐は頭を抱える。
すると2人の男女が目に入った。
「あれは…」
そこには楽しそうに話す優とミーシェ。
「ふざけるな…あいつなんかがミーシェさんと…!」


「喉乾いたな。飲み物買ってくるよ。座って待っててくれ。」
「あ、うん!ありがとう!私麦茶がいいな。」
「はいよ。」
優は自販機へと歩いていった。

「ふふふーん♪…ユウとのデート楽しいなぁ…。」
ミーシェは楽しそうに鼻歌を歌う。
「ミーシェさん…。」
「え?」
そこに現れたのは天城だった。
「天城くん?どうしたの?」
「…良かったらこれから一緒に食べ歩きでもしないか?」
「え?でも今はユウと…」
「いいから来てくれ。」
天城はミーシェの手を掴む。
「ちょ…天城くん?どうしたの?…痛…離して?」
「…いいから来るんだ。」
「ちょ…天城くん!」


路地の裏で天城はミーシェを離す。
「…天城くん?私はユウを待ってるの。一緒に食べ歩きは出来ないよ?」
「…してだ…」
「え?」
「どうして…藤山なんだ!」
「ど、どうしたの?」
「どうして俺じゃなくて藤山なんだよ!?あんなやつより俺の方が断然イケメンだろ?!」
「え?ちょ…え?」
突然の物言いに困惑するミーシェ。
「あいつは不良だし目つきも悪い!あんなやつより俺の方が君に釣り合ってる!なのに…どうしてあいつなんだ…?」
「…私は…ユウのことが好き…だから…ユウなの。それが理由だよ。」
「っ…ふざけるな…。」
「天城くん?」
「それなら…俺の方がいいと教えてやる…。」
「え…」
天城はミーシェに顔を近づける。
「ちょ…近いって…やめて…」
「君がいけないんだ…。いい加減目を覚ませ。」
「い、嫌…」
ミーシェは拒んで顔を遠ざけるが、天城はミーシェの両手を右手でまとめて抑え、もう片方の手でミーシェの顎に手を置く。
「い、いやぁ!ダメ!」
「…」
2人の唇が近づく。

「…おい…」

「「!」」

「お前…なにやってんの…?」
そこに優がやってきた。
「と、藤山…。」
「ユウ!助け…て…」


「ミーシェがいなくなってるから探しに来てみれば…ミーシェの手…離せよ。」
「っ…断る!第一お前なんかにミーシェさんが釣り合うわけ…」
バキッ!パラ…
「!」
電柱に拳をぶつける優。
「あ?俺はなんて言った?ミーシェの手を話せって言ったんだ。とっとと離せ。」
「あ…あ…ああ…」
「ユウ…」
「天城…お前…ミーシェに何しようとしたんだ?」
「お、俺は…」
ガッ!
「!…かっ…はぁ!」
優は天城に膝蹴りを入れる。
「ユウ!」
「悪いな…ミーシェ。これからやることは見なかったことにしてくれ…。」
「ぼ、暴力は…」
「あ?」
「がっは!」
優は腹に回し蹴りを入れる。
「お前…ミーシェに…


顎クイしたよな?」

「「…え?」」

「俺だってまだやった事なかったんだ…どう責任取るつもりだ?」
「そ、そんなの…」
「というわけで俺はお前を徹底的にボコそうと思う。」
「そ、そんなことしてみろ…お前はこの学校にいれなく…」
「大丈夫。外傷がつかないように顔は狙わないでおいてやるよ。立てよ…」
優は天城の髪の毛を掴み立たせる。
「っ…舐めるな!」
天城は優に殴りかかる。
バキッ!
「ユウ!」
拳は優の頬を捉えた。
「どうだ?参ったかぁ?!これ以上ミーシェさんには…」
「これだけ?」
「は?…がはっ!」
優は腹を蹴りあげる。
「やめ…」
「ちょ…ユウ、この辺に…」
「まだだよ…。」
優はよろけた天城の股間に膝蹴りを入れた。
「あっひーーーん!!」
「いいか?これ以上ミーシェになにかしてみろ…問答無用でお前の子種を殺すことになる。」
「そ、そんな…お前…分かってるの…か!このことを学校に報告されればお前は…!」
「困るな。」
「そうだろ…だから俺はこのことを学校に…」
「報告させねえよ?」
「…え?」
「天城…服脱げ。」

「「…え?」」

ミーシェまでも驚愕する。
「そして裸で俺に謝罪しろ。」
「そ、そんなこと誰がするか!」
「あ?」
優は天城の股間に足を乗せる。
「ひっ!」
「潰すよ?」
「は、はひ…」


目を瞑るミーシェ。
「すいません…でした…!」
パシャリ。
「「え?」」
「写真撮ったから。このことをチクったらこの写真をSNSにばら撒きます♪」
「そ、そんなことしたら…!」
「言わなければいいだけの話だ。ついでにミーシェに何かしたらこれ学校の壁に貼りまくるから。」
「や、やめろ!」
「だから何もしなければいいだけの話だ。」
「そ、そんなの…」
「あ?」
優は天城の天城に足を乗せる。
「や、やめ…」
「んー?聞こえないなぁ?」
「っ…!」
優はどんどん力を強める。
「ほらほらぁ…どうするぅ?」
「っ…あん!」
「「…キモ…。」」
優とミーシェの声が重なった。
「まあお前は俺の初顎クイを奪ったんだ…。これで終わりってのもパッとしないよな?」
「…へ?」
優は天城の服を没収する。
「ついでに財布も貰うね?ミーシェ、まだ時間あるし食べ歩きしようぜ?」
「あ、うん。」
「ちょ…待ってくれ!」
「あ、このこと言ったらクラスLINEにこの写真ばら撒くから。あ…でも俺クラスLINE入ってないか…。まあそのへんは江ノ島に頼めば良いし…。とにかく話すなよ?」
「そ、そんな…」
1人取り残される天城。

「…お、終わった…!」


その後服を盗まれたと言うことにしてみんなの前に裸で登場した天城は「裸の王子様」というそれはそれは素晴らしいあだ名を貰うのでありました。めでたしめでたし。



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コメント

  • けん玉マスター

    かわたさん
    コメントありがとうございます。
    男ならば仕方の無い反応です…w

    1
  • かわた

    「あっひーーーん!!」の部分で笑っちゃいました。天城くん(゚∀゚ノノ"☆ドンマイ☆チャチャチャ☆ウーロンチャ!

    1
  • ノベルバユーザー239382

    神回や

    2
  • ペンギン

    まぁ、自業自得ですね...w

    3
  • かつあん

    ユウー!なんかズレてる気がするー!wまあ、ユウらしいっちゃユウらしいんだけどねw

    4
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