腹下したせいで1人異世界転移に遅れてしまったんですが 特別編 〜美少女転校生と始める学園生活〜

けん玉マスター

44話 修学旅行12

「ユウ、陸くんと由希ちゃん…上手くいくかなぁ?」
「大丈夫だろ。陸はやる時はやる男だからな。」
「ユウ…そうだね。」
「あとは松山しだいだ。」
「由希ちゃんなら大丈夫だよ。しっかりしてるし。」
「そうだな。」
「て言うかさ、なんで肝試しなの?」
「だから、吊り橋効果とか言うだろ?」
「それはそうだけどさ、2人は両思いじゃないの?意味なくない?」
「あ…」
「ユウって馬鹿だよね。」
「お、お前に言われたくねえよ!」



「ちょ…陸。そんな離れて歩かないでよ…。」
一拍置くくせを忘れた松山は陸の後に続いて歩く。
「そうか…君はこういうの苦手だったな。」
「う…うるさいわね…。別に苦手なわけじゃ…」
「なら1人で行ってみるか?」
「ご、ごめんなさい。待ってください。」
「そこまで怖いか?」
「だ、だってぇ…。」
「…っ…」
陸は顔を背ける。
「え?ちょ、陸?どうしたの?」
「い、いや!何も無い。」
(可愛い…!)
「きゃっ!なんか動いた!」
「っ…」
「陸〜!」
「ちょっ…。」
松山は涙目になって陸の腕に飛びついた。
「先行かないでよ〜!」
「わ、悪い…。」
(ダメだ…可愛すぎる…。これはあれか…優の言っていた…ギャップ萌えか…!)
「ちょっと陸?大丈夫?もしかして陸も怖いの?」
「それは無い。大丈夫だ。」
「だ、だよね?陸もダメだったら私…もう無理だからね?」
「わ、分かってる…。」
(こっちはこっちでもう無理だな…。)
「先に進むか…。そろそろゴールのはずだからな。」
「う、うん…。」
陸が歩き出すと松山は陸の服の袖を掴む。
「?」
「その…怖くて…手…繋いでいい?」
顔を真っ赤にし涙目で訴える松山。
「っ…!」
陸はしゃがみこむ。
「え?なになに?!」
「な、なんでも…無い。君がそれで安心するなら…」
陸は手を差し出す。
「ありがと…。」
松山は陸の手をとる。
「ふふ…何故かしらね…。すごく…安心する。」
満面の笑みで微笑む松山。
「!…反則だろ…。」
「え?なに?」
「な、なんでもない。行くぞ。」
「え?あ、ええ。」
さらに階段を登り始めた2人だった。


「ふぅ…この御札を持っていけばクリアだな。」
「…そうね…。」
「さて戻るか?」
「ちょ、ちょっと待って。」
「どうした?」
「ほら、歩き疲れたわけだしさ…休憩しましょ?」
「怖いんだろ?」
「う…」
「まあそうだな。疲れたから少し休もうか。」
「うん!」


「…」
「…ねえ陸。」
「ん?」
「…修学旅行…楽しかった?」
「ま、まあ…。」
「…そう…良かった。」
「え?」
「…1年の頃の林間学校…陸ずっと1人であんまり楽しそうじゃなかったから…。」
「あ、あの時は感謝してる。班に誘ってくれてありがとう。」
「…ううん私も陸と色々出来て楽しかったし。」
「そうか…ありがとう。…この修学旅行も…その…もちろん優やミーシェと同じ班になったのも楽しかったが…君と班になれて良かったと思ってる。」
「…え?」
「班を決めることになる時から思ってたんだ君と同じ班になりたいと。校外学習の時も君と同じ班になれて楽しかったし…」
「え?ちょ…陸…」
「だから…その…ありがとう。」
「…」
「どうした?」
「…陸ってよくわかんない…。」
「は?」
「…鈍感なくせに急にこんなこと言うし…。」
「何言って…大丈夫か?」
顔を抑える松山を心配し、顔をのぞき込む陸。
「…み、見ないでぇ…。」
「え?」
「…そんなこと…急に言わなでよ…。」
「由希?」
「…1年の時だって…陸と一緒の班になりたいから誘ったの…。2年になった時藤山くんやミーシェと仲良くしてるのを見て…陸がいるから私もそのグループ入りたかった。全部…私のわがままなのよ…。」
「それって…」
「…ここまで言わないと気づかない?」
「由希…」
「…陸…私あなたのこと…」
「言うな…。」
「…え?」
「そ、その続きは…その…僕に言わせてくれないか?」
「…ちょ…どういう…」
「由希…僕は君のことが好きだ。だから…その…付き合って…欲しい…。」
「…り…く…。」
「君に話しかけられた時から君のことを目で追っていた…その…つまりずっと好きだった。自信がなくて伝えられずにいたが…その…君が誰かに取られるのは困る。だから…僕と付き合ってくれないか?」
陸は手を差し出す。
「…ちょ…いつもは鈍感なくせにこういう時だけ私のセリフかっさらわないでよ…!」
「う、うるさい。僕が先に言うと決めたんだ。それにこういうのは男の方から先に言われると女子は嬉しいものなんだろう?」
「…そ、それはそうだけどさ…はぁ…もういいわ…。陸が言ったんだから私も言う!」
「由希…」
「…陸…私もね、あなたのこと好きみたい。だから…その…付き合ってくだしゃい。…あ…」
大事なところで噛む松山。
「え?」
「…ちょ…今の忘れて…!」
「ふっ…くく…」
「…わ、笑わないでよ!」
「やっぱり君は面白いな…由希…。」
「い、今のなし!も、もう1回言うから!だから今聞いたことは忘れて…!」
「いや、忘れないさ。君の初めての告白だからな。僕はその…君のたまに出るか、可愛いところが好きだぞ?」
「っ…ばかっ!」
松山は顔を伏せる。
「悪い、からかいすぎた。」
「…それで?…返事は?」
「決まってるだろう?その…これからもよろしく頼む…。」
「!、うん…!」




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コメント

  • HARO

    おめでとう

    1
  • かつあん

    ユウとミーシェの時と同じでニヤニヤしてしまったw
    リア充爆発しろ!っていつもは思ってるんですけど、この方達は幸せになって欲しいです。

    2
  • ペンギン

    なんか...良かったですね〜w

    2
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